捕獲完了!



※双子→臨←静で臨也さん総受け
49000打、むんさんへ!




たまたま仕事の所用で池袋に足を運んだその帰り道、俺はなるべく目立たないよう、狭い路地を選んで駅を目指していた。
今日の取引相手は随分と気難しい相手だったため、流石の俺も少し気疲れしていたのだ。こんなテンションダダ下がりの日にあの怪物に出くわそうものなら、いくら無敵で素敵な情報屋であろうと本気で死ぬかもしれない。

(はは。柄にもなく弱気だな、俺…)

こんなふうにコソコソしてるところシズちゃんが見たら、どう思うだろう。
所詮ノミ蟲だな、なんてこれ見よがしに馬鹿にするだろうか。勝機と見てここぞとばかりに襲い掛かってきたらどうしよう。
しかし、いつになく凹んだその日の俺を待ち受けていたのは、意外な人物だった。

「イっザ兄ーっ、ごきげんよう!」

「あれ…舞流?」

暗がりからぬっと分離した黒いセーラー服姿に目を瞠り、俺は足を止めた。歩きながら少しぼーっとしていたようで、人が間近にいることすら気付かなかった。

「お前、こんな遅い時間にどうしたんだ?早く帰らないと母さんが…」

――逃げろ。
にんまりと微笑む妹を前に、本能が警告を与えてきたが、そのときの俺はまだどこか暢気にことを構えていたように思う。

「あのねあのね、イザ兄、ちょっと!」

「――ひ、ふっ!?」

妹は妹でも、仮にも俺の妹である。自分で言うのもアレだが、その時点で最早脅威以外の何者でもなかったのだ。
手招きされるがままに近寄った俺はとんだ間抜けだった。手を翻したように猛然と体当たりされてから改めてそのことを思い出したが、既に後の祭りというやつで、不意打ちのキスとともに何か生温い液体を喉に流し込まれた後だった。
咥内で後を引く意味深な甘ったるい味。何をされたのか考える暇もなく、今度は腰に回された別の腕が俺を後ろに強く引いた。当然俺はバランスを崩して背中からばたりと倒れこみ、打ち付けた鈍痛に顔を歪める。

「薬…(クスリ、効いてきたかな?)」

いつの間に接近していたのか、もう一人の妹が耳元で囁くと、ぞくり、と背筋に痺れるような感覚が走る。

「んっ!…あ、くる…り!」

「大丈夫大丈夫。即効性だからもう無理だって」

「え――ちょ、お前ら」

俺が怪訝に感じて問いかけるよりも早く、舞流の手がVネックの裾を捲り上げて侵入してきた。

「ひっ…!お前、何して…、嫌、あぁっ!」

ちょっと待て。あり得ないあり得ないあり得ない。
こんな路上で人の目があるかもしれないというのに、誰かに見られたらどうするんだ。当たり前だがここは家じゃない。仕事柄の知り合いだって少なくないのに。

「ひゃ、うぁあッ」

――馬鹿、みたい。

「あはははっ、イザ兄ってば乳首で感じちゃったー?」

「ちが… アッ!」

二つの突起を同時に揉まれて身体がびくんと跳ねる。この上なく屈辱的なことなのに、これが“気持ち良い”のだと本能的に分かってしまい死にたくなった。
しかし、理性を狂わせる魔の手から何とかして逃れようにも、腰が砕けてしまって身体に力が入らない。

「やめ…ろっ。あ、ぅ…そ、そこはらめぇ!んああっ、やめ!」

「兄…勃…(でも兄さんのここ、凄いことになってるよ?)」

背後から回された九瑠璃の手がズボンのジッパーをずり下げ、明らかに硬くなった俺自身をきゅいと下着越しに握りこんだ。無表情の顔面で目だけが少し笑っていて、俺の顔色を窺いながら先端の赤い肉をぷにぷにと執拗に刺激してくる。
――え、なにこれ、やばい、腰がもたない。
すぐに頭の中が真っ白になって何も考えられなくなった。ぐちゃぐちゃに溶かされていく意識の中、嬉しそうにまくし立てる舞流の声が聞こえる。

「…ふふ、今日はねえ、とっておきを用意してあるんだ!」

ちゅぷ、カチャ、と無機質な音がする。腰周りがやけにスースーするようになったから、多分下がずり下ろされたんだろう。
間を置かずして、ツプリ、と尻孔に異物が侵入してきた。

「え?ちょっ…と、なんなの、コレ…ぃやぁっ!」

「バイブ。ロングサイズの突起つきだよ?」

舞流は俺の股の間に潜り込んで、楽しそうな笑い声を上げながらずぶずぶとそれを埋め込んでいく。表面があらかじめローションで濡らしてあったのか、それは自分でも驚くほど容易く胎内に飲み込まれていった。

「あっ、やめ!…あ、ふあ、お腹…おかしくなるっ」

「否…感…(すぐ気持ちよくなるよ)」

「さぁていっくよー。スイッチオン!」

「ふっ――ひゃああっ!!」

舞流の手によって電源がオンにいれられた途端、既に奥深く埋め込まれたソレがぐるぐると容赦のない回転を始めた。

「やだ、これ… 変、ぁあぁ!」

振動と共にぐり、ぐりと中が抉るように擦られ、急激に身体中の熱が増す。
玉を作って溢れ出すカウパーをねっとりと絡ませながら、九瑠璃の細い指先が器用な仕草で先端の膨らみを撫で回す。自分でもぞっとするほど厭らしい声が出てしまい、積もる羞恥のあまりどうしていいか分からなくなる。
けれど一つだけ確かなことがある。
恐らく、この限りなく残酷な思考をした双子の妹達は、ここまでやったって多分満足なんてしやしない。
それを証拠に、舞流はすっと俺から離れて直近の曲がり角まで駆けていくと、よく通る大声で叫んだ。

「ねーねー静雄さぁーん!!イザ兄発見したよーっ!!」

路地全体に反響する声の余韻を受けながら、俺はゆっくりと目を瞠った。
予想外の大惨事がこの身に迫っていると、解らないわけがない。

「ちょ、お前!なっ…に、言って…」

「静…追…(静雄さんと追いかけっこだよ?)」

首を傾げてクスリと微笑む九瑠璃が、器用な手つきで元通りに俺のズボンを穿かせていった。
無論完全に元に戻ったわけではない。俺の性器は先走りでぐちょぐちょに湿っていたし、バイブだって中に押し込まれたままだ。
それでも上に羽織ったロングコートの裾をきちんと下ろせば、違和感のあるシルエットもパッと見じゃ分からなくなる。
何と性質の悪い悪戯だろう。



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