おはよう!
『いつでも生徒会室に来て良いからね?』
この言葉とあの笑顔が一昨日のあの瞬間からノンストップリピーティングで、最近ずーっと幸せな気持ち。
朝も珍しいくらいすっきり爽やかな目覚めが可能で、苦手な数学すらも楽しく感じてしまう…なんという朔くんマジック! しかもおかげで授業時間が短く感じるし、内容までもしっかり頭に入っちゃうし。
このまま成績上位に昇りつめちゃうんじゃないの…!? なんてありえない妄想もしばしばしつつ。
そして今、放課後。昨日は補習と言う名の悪魔(古典の暗唱とかマジいらない…!)のせいで顔を出せなかった場所、生徒会室への道を現在進行形で辿ってる。
毎日行くと誓ったばかりなのに行けなかった分、胸がうずうずして仕方がない。 もしこないだみたいに朔くんの笑顔が直接私に向けられなかったとしても、私は朔くんと同じ空気を吸うということだけで充電できる自信がある…本当にどんだけ恋してるんだ、私。
でも恋って今を良くしてくれるし現に私はそれを楽しんでるし、どんだけって、どれだけ恋したって良いことでしょ?
こんな意味不明な自問自答をしている自分を笑いながら、ついにやってきた北校舎端の天国、生徒会室の前で一度立ち止まる。
ここに入る前に必ず行う習慣、身だしなみの確認(一応行儀良く、ね?)そして前髪のチェックを終えて最後にひとつ、深呼吸。
このドアの向こうに朔くんがいる。 ようやく朔くんと同じ空気を吸うことができる。(あれ、なんか変態みたいだ。)
でもまぁ、変態でも別に良い。現に私は変態だ!えへん!
では、目を閉じて、心を落ち着けて、ゆっくりドアに手をかけて爽やかな挨拶を…
「…おはよー!」
…って叫ぶ言葉間違えた!! 今朝じゃないし!もうすぐ夜って時間なのになにやってんだ私…!
でも、その間違いのおかげであることに気付く。
いつもなら鋭く飛んでくるはずの凛太郎のつっこみも、笑いながらも優しく返事をしてくれる朔くんの声もない、ない。
その代わりにぶっきらぼうに飛んできた、起きてるのか寝てるのかわからないような誰かの声は。
「……んー。」
(あ、君…。)
2010/03/03 00:32
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