「ふギュッ」
「こら、どこ行くの」

 抜き足差し足でわたしの背後を通り抜けようとする峰田君の首根っこを素早くひっ掴み、今度ばかりは逃げられないよう、瀬呂くんに貸してもらったテープの端にしっかりとくっつける――もちろん粘着力だけじゃなく、しっかりわたしの磁力こせいも合わせた強力接着だ。ほんの些細なものとはいえ、本当ならこんなところで“個性”を使うのは良くないとは思うのだけれど、こうでもしないと合宿に参加する女子全員の尊厳が脅かされてしまう。述べ三度目の逃亡に失敗した峰田くんは、口惜しそうに唇を噛み締めてぶるぶると身を震わせた後、嫌に必死な様子でわたしに訴えた。

「なんでだよ!オイラにだって自由に買い物する権利くらいあるだろ!?」
「うんうん、それはそうだけどね。とりあえずわたしと一緒に買い物しようね」
「ていうか何でおまえはこんなトコ・・・・・に来てんだ!?合宿にこんな立派な箱詰めのお菓子持ってくつもりかよ!!しおりに“おやつは五百円まで”“バナナは含まない”って書いてあっただろ!!」
「いいからちょっと付き合ってってば」

 頻りに逃げ出そうともがく峰田くんを何とか制しつつ、陳列棚に並ぶお菓子の箱を吟味する。
 ここは木椰区ショッピングモール内、手土産として重宝されるようなちょっといい感じの菓子を販売している洋菓子屋さんの店頭。クラスのみんなと合宿の買い物に来たはずなのにどうしてこんな所に来ているのかというと――先日のクッキーのお返しに、光己さんに渡すためのお土産を今日のうちに買ってしまいたかったからだった。学校のある日はなかなか買い物の時間も取れないし、合宿までそう日があるわけでもない。今準備しておかないと、下手をすれば合宿終了後までお礼が先延ばしになってしまう。
 ちょうどよく各自自由行動ということになった訳だし、わたしだって本当なら一人でここにやって来るつもりでいたのだけれど――、

「俺はピッキング用品買いに行きたいって言ってんだろー!!クソぉ離せ南北ー!!」
「あんたこそ合宿にそんなもん持ってって何をどうするつもりなのさ!?」

 偶然にもというかなんというか、ドリルやら何やらを求めて工具店へ向かう峰田くんの背中から見過ごすに忍びない邪念を感じ取ってしまったので、咄嗟に引っ捕まえて一緒に行動――もとい監視体制を取ることにしたのだった。先程からボロボロ溢れ出ている彼の本音を聞く限りでは、わたしの判断もある程度正しかったと言って良さそうだ。当然相澤先生も合宿中の峰田くん対策は抜かりないだろうけれど、犯罪の芽は未然に摘んでおくに越したことはないし。
 逆らいようのない正論にぐっと言葉を詰まらせた峰田くんは、何やらブツブツと恨めしげに呟きながらもしばらくの間大人しくしていたのだけれど――わたしがようやく買うお菓子を決めてレジに向かおうとしたその時、「……仕方ねえ……わかった!わかったよ南北!」と何やら真剣な声を上げながら、わたしの手と彼の体を繋いだままのテープをぐいと引っ張った。

「オイラ、もう逃げも隠れもしねえ……こうなったらおまえの買い物にちゃんと付き合ってやるよ」
「……はい?」
「なんだよ、普通に買い物するって言ってるだけだろ!?そんな露骨に怪しむなよな!」
「無茶言わないでよ……」

 どういう風の吹き回しか、峰田くんは本当にそれ以上抵抗する素振りも見せず、ただ怒ったように腕を組んだ格好のままわたしの用事が終わるのを待っているようだった。いまいち信用ならないけれど、本人がそう言うなら別に……無理やり一緒に行動する手間も省けることだし、申し出を無下にする理由もない。
 それでも一応「まだ離してやらないからね」と瀬呂くんのテープをしっかり握り直すと、彼は一瞬歯がゆそうに唇を歪めたけれど、すぐに「どうそどうぞ」と澄ました顔で視線を逸らした。
 ……あ、怪しい――けど、まあいっか。とりあえず選んだお菓子をレジに通し、店の外に出てモールの案内板を探す。

「で、何買うんだよ?」
「うーん、とりあえず一通り旅行用品揃えたいんだよね。キャリーとかポーチとか、実はほとんど持ってなくて……」
「じゃあまず小物からだな。雑貨屋何階だ?」



 ――とまあ意外なことに、峰田くんは宣言通り大層真面目にわたしの買い物に付き合ってくれて、何なら旅行に役立つ持ち物からキャリーバッグの大きさまで、色々と為になるアドバイスまで貰ってしまった。しかも、さらに意外なことに……と言ってしまうのも失礼かもしれないけれど、何だか妙に物選びのセンスがいい。そういえば私服も割とお洒落だったりするもんなあ。
 女子的にはどう足掻いてもアウトな言動が凄く目立って見えるけれど、何だかんだで普通に友達思いなところもあるし、間違いなく根は悪くない奴なのだ。うん、本当に――、

「――本当にさあ」
「うん?」
「……何でもない」

 “そういうとこさえなければ、峰田くんも女子に好かれる可能性あるかもしれないのに”――喉まで出かかっていた言葉は、上りエスカレーターの後ろに立ってわたしの脚の辺りを凝視している彼の姿を見るうちに自然と引っ込んでいった。エスカレーターに乗るたび「先行けよ」「レディーファーストだろ」と矢鱈に道を譲ってきたのはそういうことだったらしい。身長の低さと足場の高低差を利用した二重戦略だ。卑劣な!とわたしの脳内八百万やおちゃんがプリプリ怒っている。
 ほんと、これ・・さえなければ――とは思うけれど、果たしてそんな爽やかで真っ当な峰田くんは峰田くんと呼べるのだろうか。思わず溜息を漏らすと、彼は人の気を知ってか知らずか訝しげに目を細めた。

「なんだよ、言いたいことがあるならはっきり言えよな!」
「いや、峰田くんはやっぱり最低だなって……」
「うるせーなあ!欲望に忠実で何が悪い!!」
「そこら辺もうちょっと抑えた方がモテんじゃないの?」

 結局我慢できずに率直な感想を申し上げながらさっさとエスカレーターを登りきると、後ろからついて来ていた峰田くんは一瞬変な顔をした後、至極呆れたように「やれやれ」と肩を竦めた。何ですかその“わかってねえなあ”みたいな反応は。まあ確かに彼の気持ちは全然まったく一ミリも理解できないんですけど……。わたしの隣に並んで歩きながら深々と溜息を吐いた峰田くんは、そのまん丸な目でこちらをちらりと流し見て言う。

「おまえ……オイラを誤解してるぜ、それは」
「はあ……」
「オイラはな、オイラのまま・・・・・・モテてえんだ」
「……」
「何だよその目は!せめて何か言えよな!」
「無理じゃない?」
「うるせー!大体オイラは女体に敬意を払ってんだ!がっつり見てえし触りてえ!!それを前面に押し出してこそだろ!?」
「ええ……?」
「ハァ――やっぱわかってねえ。おまえわかってねえよ、南北」

 わたしの意見も決して間違いではないはずなのに、峰田くんがあまりにも堂々と反論してくるものだから、まるでこっちが野暮なことばかり言っているような空気になってしまっている。ちょっぴりムカつくドヤ顔で「チッチッ」と指を振った彼は、清々しいまでに開き直った口ぶりで堂々と語った。

「考えてもみろよ。“そういうのには興味ありません”って澄ました顔してるやつが、実はムッツリで覗きやってました〜って方がより一層アウトだろ」
「いや、覗いてる時点で罪は同じ……」
「いいや違うね!オープンスケベはオイラの誠意なんだよ――相手の核心に迫ろうって時によお、本音を取り繕って誤魔化しながら近付くなんて失礼極まりねえだろ!?」
「……、」

 その言葉には妙な説得力があったというか――ほのかに思い当たる節があったというか。
 どう考えてもただの屁理屈なのに、心のちょっとデリケートなところをぐさりと刺されたような気がして、思わずぐっと言葉に詰まってしまったし、ついでに足も止まってしまった。馬鹿、流されてどうすんの。どんな理屈があってもオープンスケベは立派なセクハラだし、覗きはまごう事なき犯罪でしょうが――言葉を探しつつどうにか反論しようと息を吸い込んだ瞬間、歩調を合わせる形で足を止めた峰田くんが、まじまじとわたしの目を見上げながら呟いた。

「……おまえってさあ、割と素直というか、押しに弱いというか……扱いやすいっつーか」
「へ?」
「夏なのに私服も全然肌出てねえのは心底許せねえけどよ」
「は?」
「何つーか、根っこがお人好しなんだろうな、多分。オイラ、おまえのそういうとこ嫌いじゃねえよ」
「な、何?突然……そんなこと言ったって覗きは絶対許されないからね――」

 彼が急に真顔でそんなことを言うものだから、柄にもなく若干照れ臭い気分になってしまって、緩んだ心を引き締めるように慌てて彼とわたしを繋ぐテープを強めに引っ張り――想像より遥かに軽い手応えに重心が乱れて足がふらついた。
 ――へ?
 浮かせた片足をすぐに降ろしてどうにか踏みとどまると、手に持っているテープの反対端が視界に飛び込んでくる。ちゃんと峰田くんの首根っこの辺りに貼り付けていたはずのそれは、いつの間にそこから剥がれてしまっていたのか、軽やかに舞った挙句わたしの服の胸元にぺちょりとくっついて止まった。
 しまった――峰田くんがあまりにも大人しく買い物に付き合ってくれていたものだから、磁力の張り直しを怠ってしまっていた。テープの粘着力だけなら剥がすのも容易い。慌てて視線を落とした先、つい先程まで峰田くんが立っていたわたしの足元には誰もいない。ショッピングモールの人混みに紛れて、背の低い同級生は一瞬のうちに忽然と姿を消してしまっていた。

「あああもう――やられた!」

 思わず声が出てしまって、周囲を歩く買い物客の視線が一瞬ちくりとわたしの顔に刺さり、すぐに離れていった。 ああもう、峰田くんの執念深さをすっかりナメきっていた。そりゃあ油断させて逃亡を図るくらいのことはするだろう――最後の方なんかすっかり会話のペースに飲まれてしまっていたし、わたしの完全敗北だ。あーっちくしょう、くやしい。
 服に貼り付いたテープを剥がしてくしゃくしゃに丸めながら思案する。どうする、峰田くんはきっとドリルやら暗視ゴーグルやらを買いに向かうはず――追うか?一度はそこまで行き着いたのだけれど、やがて急に全てが虚しくなって考えるのをやめた。峰田くんはもうそういう生き物なんだ。幾らわたしが頑張ったところで、最初はなから止められるものではなかったのかもしれない。うん、今のわたしに出来るだけのことはもうやったんだから――あとは合宿当日に女子のみんなと考えよう。深い深い溜息と共に色々なもやもやをドッと吐き出して、わたしは丸めたテープをすぐそこのゴミ箱の中に放り捨てた。











「……流石に早すぎかな」

 遠目に見える背の高い時計を見上げながらぽつりと呟く。皮肉なことに峰田くんのお陰でとてもスムーズに買い物が進んでいたので、全ての用事を終えて集合場所の辺りへ戻ってきても尚、所定の時刻まではまだ十分すぎるほどの猶予があった。
 かといって他にすることがある訳でもなく――何より峰田くんに逃げられてしまった結果、今のわたしはひとりぼっちなのだ。広いモールの中では他のみんなと合流するのも大変そうだし、時間を持て余すことにはなってしまうけれど、結局早めに集合場所へ向かう以外に選択肢は浮かんでこなかった。
 道中適当な店で買ったタピオカミルクティーをちゅうちゅう吸いながら、買い物袋を片手に提げて最初にみんなと別れた広場を目指す。あそこには確か一休みできるベンチもあったはず。Wi-Fiもしっかり飛んでいることだし、スマホでエンデヴァーの動画でも見ていれば時間なんてあっという間に過ぎることだろう。

 すると――ぼんやりとそんなことを考えていたわたしの耳に、買い物客の喧噪に混じって聞き覚えのある声がほんのりと届いてきた。

「――て、――き――むら……!!」
「(……ん?)」

 ――多分デクの声だ。はっきりと聞き取れた訳ではないけれど、家族連れで賑わう休日のショッピングモールにはあまりそぐわないような、妙に緊迫感の滲んだ声色。
 先ほどより近い位置に見えるようになった時計をもう一度見上げてみたものの、やはり集合時間まではまだ相当余裕がある。彼もわたしと同じように、早めに用事を済ませて戻って来ていたのだろうか。何だか嫌な予感がして、悠長に進めていた歩みが自然と速まり――、

「――うわっ……!?」

 速度を上げた瞬間、正面の人混みの向こうからふらふらと歩み出て来た誰かに思い切り半身をぶつけてしまって、よろめいた拍子に持っていた蓋つきのカップが手を離れた。やばい――前方不注意で衝突した挙句、相手に飲み物までぶちまけてしまったらもう目も当てられない。さっと血の気が引くのを感じながら、まだたっぷり残ったままのタピオカミルクティーをどうにか掴もうと手を延ばしたのだけれど、

「――おっと」

 わたしの指がカップに触れるより早く、血色の悪いかさついた手がそれをキャッチした。どうやらぶつかってしまった相手が運良く受け止めてくれたらしい。
 ほっとしたのも束の間――その光景に何か強烈な既視感を覚えて、心臓がどくりと強く脈打ったのがわかった。黒衣に包まれた腕がゆっくりと伸びて、緩慢な動作でもってカップを横の方へと遠ざけていく。
 中指だけを少し浮かせた、四本指・・・の奇妙な持ち方。いつの間にか薄れかけていた記憶の中に、同じ手つきで青白い手を拾い上げる男の姿を見た。呆然とその動きから目を離せずにいたわたしの耳に、今度はデクのものではない――けれど、確かに覚えのある気怠げな声が届く。

「気を付けろよ……服が汚れるだろ」

 十分離れた位置まで遠ざけられたカップに、浮いていた中指がひたりと着いた。途端、音もなくひび割れたプラスチックの隙間から白茶色の液体が漏れ出して、床に小さな水溜りを作っていく。カップは瞬きの間に形を失って、容れ物を失ったタピオカの黒い粒が地面にごろごろと転がり落ちた。「うわっ」「誰だよこぼした奴」などと迷惑そうな声を上げながら、若い男女がその残骸を跨いで通り過ぎていく。ミルクティーで汚れた手をぱっぱと軽く払った男は、立ち止まったまま固まっているわたしの前で、同じように立ち止まったまま動かない。
 目を合わせなくてもわかった。あの・・赤い目が――わたしを品定めするように眺めている。

「……へえ」
「……、」

 ぶつかった直後の、少し手を延ばせば触れられるような至近距離。そんな間合いで会敵・・してしまった。緊張で全身が一気に強張る。動かなきゃ。声を上げなきゃ――息を吸い込みかけたわたしの視界の端に、母親にクレープを強請っている小さな女の子の姿が映った。思わずはっと口を閉ざす。
 ここはモールの玄関口に近い、エントランスにあたる場所だ。わたしたちが立ち止まっているのも人混みの真っ只中で、今しがた横を通り過ぎていった母娘のように、休日の買い物を楽しむ一般人で溢れかえっている。その只中に凶悪ヴィランがいるだなんてことが知れたら、どんな大パニックに陥るか――それ以前に、目の前の男が果たしてどう出るか。
 というか、何を企んでこの男がこんな人の多い所に出てきたのだろう。さっき聞こえたデクの声は?あの子に何をした?色々な懸念が一気に頭の中を駆け巡って、身体中にじわりと嫌な汗が滲んだ。
 それでも――、

「(駄目だ――こいつを、野放しにしたら……!!)」

 USJで血を流しながら戦ったオールマイトの背中。赤く燃え上がった夜の保須市。密度の高い日々を過ごしていたせいか、ほんのり薄れかけていた記憶の数々が、急激に、鮮烈に脳裏に蘇る。
 何を企んでいるのか知らないけれど、この男はきっとまた碌でもないことをしでかして、たくさんの人を傷付け苦しめるだろう。何とか、何とかしなくちゃ。今ここでは何もできないとしても、このまま指一本動かせずに終わるなんて絶対に駄目だ。
 口の中に溜まった唾を飲み込み、意を決して顔を上げる。“どうしてあんたがこんな所に”。そう尋ねるつもりで、依然わたしに視線を送り続けるその赤い目を睨みつけて――、

「……こうして見ると」

 が、先に口を開いたのは相手の方だった。見上げた先に、あの印象的な青白い手首のマスクはない。黒いフードの下には伸び放題の髪と、その下から覗く剥き出しの素顔があるだけだった。
 赤い瞳と視線がもろにぶつかって、開きかけていた口を思わず閉ざしてしまう。絞り出すはずだった言葉は、どうしても喉で詰まって出てこなかった。

 そいつの顔に浮かんでいたのが、あの背筋が寒くなるような歪な笑いでも、癇癪を起こした子供のような苛立ちでもなく――、


「おまえ――母親に似てるんだな」


 ただ面白がるような――或いは微かに哀れむ・・・ような。
 そんな何とも言い難い、静かな微笑だったから。

 硬直したわたしの横をすり抜けるようにして、黒いフードは今度こそ人混みの向こうへ消えていく。我に返り慌てて振り返ろうとした――その時、

「――ほたるちゃん!!」

 半身を捻りかけていたわたしを呼び止めるように、鬼気迫る声が背後から掛かった。今度ははっきりと聞き取ることができた――デクの声だ。振り向いた先、先程までは男の陰になって見えていなかった広場の中央辺りに、喉の辺りを押さえながら地面に膝を突いているデクと、彼の傍で携帯電話に向かって何事かを話しているお茶子ちゃんの姿が見える。よろよろと立ち上がったデクに続いて彼女もわたしの存在に気付いたようで、電話口の向こうの誰かにぺこりと一礼して携帯を畳むと、慌てた様子でこちらに駆け寄ってきた。

「大丈夫!?今あいつに何かされた!?」
「怪我してない!?平気!?今デクくんも絡まれてて、私警察呼んだから……!」

 青い顔で寄ってくる二人の様子をよく見れば、デクの喉元にはほんのりと赤く痣のようなものが残っていた。痛ましいその跡を目の当たりにすると、真っ白だった頭の中を次第に押し寄せてきた後悔が占めていく。
 何で動けなかったんだろう。どうして声すら出せないまま見送ってしまったんだろう。
 あの表情かおは――言葉は、一体。
 今度こそ首を捻って振り返った先、背後には笑い合う人々の雑踏があるばかり。その中に、奴の――死柄木弔の後ろ姿を見出すことは、終ぞ叶わなかった。

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