R.Sside






教室から1番最後に出たのは俺だった。
ルールを説明した教官とやらが、薄ら笑いを浮かべて手渡してきたバックを半ば強引に受け取り、教室を一歩出たところで告げられた。


「あぁ、そうだ。良いことを教えてあげよう。このゲーム…生存者がいなかったら、次の参加者は君の後輩たちだよ」

「…なっ!?」

「幸運を祈るよ…宍戸君?」


くくっと楽しそうに喉をならした教官は、俺の背中を押して教室から追い出した。











「やぁ、宍戸君。計算通り君が生き残ったようだね」


動かなくなった跡部の横で佇んでいたら、目の前に現れたあの日俺の背中を押した教官。
ぎゅっと拳を握りしめてへらへらと笑う教官を睨んだ。


「…これで、長太郎たちは…こんなものに参加しなくても良いんだろ?」

「おや、面白いことを言うね。誰も“生存者がいたら次の参加者が変わる”とは言っていないけれど?」

「!?」

「俺はただ次の参加者を教えただけ。次の参加者が君の後輩たちであることに変わりはないんだよ」

「そ、んな…」


絶望という言葉は、こんな時に使うのかと頭の片隅で思った。
声をあげて笑う教官の前で、俺はただ涙を流すことしかできなかった。



「…さぁ、生きましょうか。裏切り者の宍戸君」



END



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