「
みんなのうたうたい」
待ちぼうけ
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#童謡からの自分的小説
より転載。加筆。
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待ちぼうけ、待ちぼうけ。
ある日せっせと野良稼ぎ。
そこへ飛んで出て、ころり転げた君を助け起こした。
細く軽い体。
真っ白な頬が羞恥に赤く染まって。
襟からのぞいた華奢な首も、ふわりと桃色に匂い立つ。
ありがとうと恥らって微笑む君に目を奪われてしまった。
そんな愚かな私を置いていつの間にか君はいなくなってしまったね。
今日も僕は君を待つ。
昨日も待った。
明日も、明後日も、君が来るまで待っている。
次は逃げられないように、と幾重にも張り巡らせた罠を見つめながら。