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みんなのうたうたい

ごめんねピーマン

ツン美形先輩×博愛

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リンゴン、リンゴンと鐘の音が響く。
おとぎ話に出て来るような小さな教会。
白いタキシードでキメた僕。
隣には白いベールをかぶった花嫁。


……かなり背が高い。
あれ、僕、小柄な子が好みなんだけどなあ?


違和感に内心では首をひねりながらも、こちらを向いて屈んだ花嫁のベールをそっと持ち上げる。

清楚なレースの下から現れた嫌味な程整った美形が、ゆっくりと目を開いて……。
僕を見てにっこりと笑った。

「幸せになろう」

「うわああああ……!!」



ぐらり。

世界が回る。



気付けば柔らかなベッドの上。
花嫁を組み敷いていた。

期待に満ちた切れ長の目が俺を見上げている。
微かに赤く染まった目の縁、微笑んでいるようにも見える口角。

普段の氷の様な冷たさとは違う雰囲気を纏った花嫁に戸惑ってしまう。


キスを。

しなくては。
誓いのキスを。


桜色の薄い唇に視線が吸い寄せられる。
少し濡れたようにも見えるその唇。

キスを……。

キス……。


……ぎゅっと目をつむってみる。

ほら、可愛い女の子だよ。
僕好みのふわふわした砂糖菓子のような……。


……無理がある。

無理だ。
無理だよー。


「……お前からしないなら……」

「ヒッ!」


世界が反転した。
美形が僕を見下ろしている。

その目の奥の灯る光に気づいて、背筋に寒気が走った。

「俺からするまでだ」

「! やめっ!」


怖い。


苦手で苦手で、仕方のない先輩。

彼の前に出ると言葉が詰まる。
目が泳ぐ。
体が硬直して、歩き方すら忘れてしまう。

特に何かをされたとか、そういう訳じゃない。

だから、言えない。
言えないけど。

「諦めろ」

「や、こわいっ! 先輩の事、嫌いなんです!」

そう、嫌い。


怖い。


先輩に関わりたくない。
嫌いなんだよーっ!!


「あはは、諦めろ」

「うわあああああ!」

近付く顔。
柔らかな触感。




「────っ!」




……夢。

心臓が煩い。

何て夢だ……。
冷や汗でパジャマがぺとぺとする。

朝からどっと疲れた。




ごめんねピーマン
はやくなかよくしようね




あー……。
今日の委員会、憂鬱すぎる……。


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「見えない臓器の名前は」
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