死神の帰る場所
本編
捧げたモノ10

誠に申し訳ございませんが。
前回のセックスはとにかく必死で、正直しっかりと覚えてなかったりして。

襲ってくる眠気と、初めて味わう苦痛と快感、夢なのか現実なのか分からないという困惑。
私のちっこいキャパシティーは完全に崩壊していた訳だ。

ちらほら蘇る断片的な記憶で顔を赤くしていたって言うのにさ。
なんだい、これ。
こんな生々しい感覚は、知らない。
こんなセックスは知らない。
体も、頭も溶けてしまいそうで、怖い。

気持ち良過ぎるのって辛いんだね。

「っち、いっ……、う、あ、ああ、あ! あア!」

揺さぶられる体の内側から体中に広がる快感の波。
じゅぽじゅぽという粘着音。
肌同士が打ち付けられる破壊音。

力強く乱暴なセックス。
“犯されている”という言葉が胸にしっくりと来る。

「あ、は、は! こわれ、そ、オっ……は、ア!」

やー。
頭おかしくなってきた。
欲をぶつけられて、でも、それが嬉しくて、気持ちイイ。
何? 私M気あったの?

「は! 壊れても、構わない」

「ンっ!? ン!? そこっ、ンっ、あ、ヤア、ア、ア!」

私の腹を叩いていたペニスを握りこまれて、扱かれた。
パンパンに張っていたカリを硬い指で弾かれて、睾丸がきゅうきゅうと悲鳴を上げる。
あ、ヤバイ、よ、それは。

「っイク! イクって! それ、……あっ! だ、め!」

「イイから、イけっ」

「や、まだ! あ、ヤッ、ぁ……! っ…………!!」

白濁が先端からとぷりとぷりと溢れ出る。
呆気なくイってしまった。
う〜ん……早すぎて、ちょっとオジサン恥ずかしい。

「っア……は……」

最高に気持ちがよくて、トんでしまいそうで、怖くて、治仁くんの体にぎゅっと抱きつく。
しっとりと汗ばんで、熱くなった体。
触れ合うと、お互いの肌が吸い付くようで気持ちいい。

はっと息が漏れるのが聞こえた。

「まだ、なんだよね?」

「え……?」

「まだ、なんでしょ? もっと、ってこと、だよね?」

「えっア! ちが、ンあっ、あ、や! あ! も……」

再び律動が開始して、強引に体を開かれる。
無理。
無理だって。

そう思うのに、体は快感に翻弄されて、熱く熱く高ぶっていく。


「壊れてみる?」


……ええとね、多分、今日も記憶が残らない気がするよ。
ぺろりと薄い唇を舐める治仁くんに、ぞくり、と一気に肌が粟立った。


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