死神の帰る場所
本編
捧げたモノ08

膝の裏を支えられて両足を大きく開かれると、私の全てが丸見えだ。

期待で再び硬くそそり立った欲望の象徴は、先端から透明な雫を溢れさせてひくひくと揺れている。
治仁くんの指が何度も出入りを繰り返したアナルはうずうずしている。
入り口も蠢いているのだろう、と思う。
くぷりと泡立ったジェルがその動きで毀れて谷間を辿って垂れ落ちる感触がする。
若々しくも、美しくもない、ただ頑丈なだけが取り柄の体。
きっと、浅ましい表情を浮かべているだろう顔。

そんなものを愛しい人に晒してまで、これから彼が与えてくれるだろう物に焦がれている。


その全ての事実が恥ずかしくて堪らない。

「……っ……治、仁、くっ……ァっ……」

太ももの内側にちゅっちゅと可愛らしい音を立てるキスをされる度に体が跳ね上がる。
くすぐったくて、ぞくぞくして、辛い。
もう、もう、堪らないんだ。

「ね……もう……」

「うん?」

「シ、よう? っ……ア、ひ、ヤアッ……!」

軽く歯を立てられ、その跡をぞりぞりと舌がなぞる。
痛みを感じているはずなのに、下半身がジンと痺れて、ペニスがぴょこんと跳ねる。
愛撫に反応する下半身がは、治仁くんの顔のすぐ前に晒されていて、それを全て見られているのだと思うと、また、きゅうとアナルがなく。

あー、

あー、

もう、

もう……

こんな愛撫には慣れてないんだから。
ゴールが見えない快感が怖くて仕方ない。

「はう、っと……く……」

「何を? 何をするの?」

「……な、に……?」

「どうして欲しい? おしゃべりなその口で、言ってよ」

……また、そんな。
どこのオヤジだい、君は。

ふっと思わず笑ってしまった。

「……」

「ああ、ごめん。は、は……うん」

瞬きをする治仁くんの顔には、少しだけ憮然とした色が浮かんでいて、それがまた笑いを誘う。
もう、可愛いなあ。
ちっとも可愛くないのに、可愛くて可愛くて、へらへらと顔がだらしなく緩む。
そうだね、言わなきゃ、言葉にしなきゃ、ダメなんだよね。

「……君と、セックスがしたい。しよう? してくれないか? ……もう、堪らないよ」

体を起こして、治仁くんの下半身に手を伸ばす。
下着の中に差し入れた手が触れたその部分は、熱く硬い。
むず痒い様な嬉しさと、それからどろりとした欲望が胸に沸いて、思わず熱い息を吐いた。


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