死神の帰る場所
本編
捧げたモノ07

驚きと、喜びに固まったまま治仁くんを見上げる。
バクバクと心臓だけが煩い。

都合のいい空耳……幻聴……?
いまいち信じられない。
今、好きって、言った?

そりゃ、この状況でまさか嫌われてる、とは……思ってはいないけど。
多少、いや、まあ、かなり期待していたけど。
好きって……そういう意味の、好き?
私と同じ、好き?

「ほんとう、に?」

「はっ、残念ながら」

「ざんねん……て……、…………ねえ、もう一回言ってくれないか?」

好きって、気の迷いとかじゃなくて、本当に?

「何度でも。気が済むまで。……嫌だと言われても」

「ン、あ……ぁ……」

アナルから指が抜き取られて、ひくりと揺れてしまった体に、治仁くんの長身が覆いかぶさってきた。
言葉に溺れろ、と低い声が耳に吹き込まれる。

いやいや、もう十分アップアップだってば。

好きだ、愛しているという囁きと共に、甘いキスが顔に、首筋に、落とされる。

ひ、ひー。
どうしちゃったんだい、治仁くん。?
甘くて、甘すぎて、

「うれ、し……けど、」

「けど?」

「急に、どうしたの?」

首を傾げると、べろりと頬を舐められた。
ぎゃー、獣だよ。
にやりと笑う治仁くんが、ちょっと怖い。

「もう、遠慮はなし。言ったよね?」

「遠慮って……なんだい、手は、……出してたくせに」

あ、このせりふはちょっと恥ずかしいかもしれない。
言ってる途中で顔が赤くなる。

「はっ! はじめにキスしてきたのはあなただからね」

「は!? え? ……え!?」

え?

キス?


……って、えっと、逃げちゃった時、じゃなくて?

キス?

え?
キス?


考え込んでしまった私に皮肉気に口角を上げた治仁くんが、ちゅっと唇を啄ばむ。

「キス魔なのかと思って、酔わせてみたけど違ったみたいだし」

「へ?」

「その割りに、へらへらと危機感もなく近づいてくるから。堪らなかったよ」

「え?」

「若いから」

「ァ!! ……あ、あ」

ぐりっと、治仁くんの下半身が押し付けられる。
ズボンの布越しにお互いのペニスが当たって、ずくりと欲情が騒ぎ出した。


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