さあ、うたおう
本編


 愛してる
 愛してる
 あなたがそれに気づくよう
 あなたにそれが見えるよう
 伝えたえるよ

 あなたは愛に包まれている
 気づいて
 気づいて

 愛しているよ


分かった。

分かった。


「オレも……」


分かってんだよ。
分かってんだけどさ。

ああ、もう、頬が熱い。

ああ、畜生。
年上の癖に。
年上なのに……。

余裕な表情の、深雪に、心の中で八つ当たりする。

いつだっておまえにされるがままだ。







「あ」





もしかしたら。





ぱっと頭に閃いた可能性に、ドキドキと心臓が鳴る。

もしかしたら。
だけど。
平気、かもしれない?


「?」

「なあ、オレ童貞なんだけど」

「え?」

「童貞。使った事ねえの。ちんこ。オーライ?」

だってさ。
しようとすると、吐くんだもん。
オレ。

気持ち悪くなんの。
あり得なくない?

そう言う場面で、吐かれるとか、相手が超可哀そうだよな?

若い頃、そんな事を繰り返して、ああ、オレは抱かれる側なんだな、なんて納得してたけど。


「おまえならいけるかも」


深雪なら、できるかも。
と。
何の根拠もなく、思う。

だから


「こんどヤらせろよ?」


な?
たまにはオレが攻めてやる。
これまで、散々攻められた分、返してやるよ?
この際、流行りに乗って倍返しでもいい。
ヤられてなくても、ヤり返しちゃう世の中だろ?



固まったままの深雪に濃厚なキスをお見舞いして、向かう先は乱れたままの万年床。



取りあえずは、フェラ位させろよな。
愛し“合う”んだろ?



なあ、だから。

今日はビールでしっぽり。
いっとこうぜ?



−結−


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