明日もFull Moon
隣の晩御飯
10

隼人は格好良い。
ほーんと、悔しいくらい。

「じゃ、動くぞ」

にっと笑う隼人の目の縁が少し赤くなっていて、ボクだけじゃなく隼人も興奮しているんだと嬉しくなる。
こくりと頷くと、ボクの中で最上級の笑顔で強請った。

「隼人でいっぱいにしてね」

「……OK」

どくん。
ボクの中で隼人のペニスが力強く脈打つ。
なんて愛しいんだろう。

「っふ、ああぁ……ぁああぁ……」

隼人のペニスがゆっくりと引き抜かれていく。

張り出した部分に内壁を絡みつかせたまま引き抜かれる感覚に身を振るわせる。
ぞくぞく這い上がる悪寒に似た快感に、体の力が抜けていった。

「ああっ! ……はン、あ、ぁぁぁぁ…………ィぁあっ!」

そこを勢いよく擦り上げられて、先程よりも深くまで届く先端がボクの最奥に叩きつけられる。

大きな衝撃に一気に生理的な涙があふれた。
頭が真っ白。
目がチカチカする。

与えられた好物を租借するように蠢く内壁を振り切るように、隼人が腰を引いては一気突き上げる。
何度も何度も、繰り返し。
大きな隼人のペニスは、出し入れの度にきっちりとボクの前立腺を擦っていく。
その度にちかちかと快感が脳みそに伝わる。

気持ち良くて、頭がおかしくなりそう。
体も思考もとろとろ。
細切れに与えられる快感を追いかけることに、ボクはもう夢中だ。

乱暴な動きに翻弄されてボクの体が移動してしまうのを、隼人のたくましい腕が引き戻してはまた大きく揺すられる。

抽挿に合わせて、下半身からじゅぼじゅぼという水音が耳に届く。
隼人の吐く荒い息がセクシーだ。

エロい音って、何でこんなに興奮するんだろう。

「ンああっ! ……は……ぐアっ! ……ん!」

「気持ちイイ?」

「っイ! ……イひよおぉおっ!! ……あ! キモチ、いっ!! ヒン!」

「好きだろ? ココ」

「っ! ぁぁぁぁあぁぁあああ……!! しゅきっ! ……すきいいい!」

隼人の先端をぐりぐりと前立腺に突き立てられて、視界がスパークした。
シーツをめちゃくちゃに引っかいて、快感の濁流から這い上がろうとする。

「あっ! も! ゃあああぁぁあ! そこばっかああぁぁあああ!」

イヤイヤと首を振っても、隼人は許してくれない。

「あ──! ぁあ────!! ちもちぃよお────!!」

大粒の涙と獣のような鳴き声が溢れ出るのを堪えられない。
強すぎる快感を甘受するしかない、というあまりにも幸せな状況に、ボクの頭はお花畑だ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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