明日もFull Moon
隣の晩御飯
09

離れていく隼人の顔をじっと見つめていると、端正な眉が片方、くっと上がった。

「! ……ふっあ……」

と、アナルに差し込まれた隼人の二本の指が開かれる。
入口が広がって外気が侵入する。
冷たい空気の動きで、内側がうねうねと蠢いているのが自覚させられた。

恥じらいなんて持ち合わせていない。
でも、とんでもなく恥ずかしい所を晒されているんだと思うとドキドキする。

「解れた?」

恥知らずなアナルにちらりと視線をやった隼人が聞く。

ふわり。
少し落ち着いていた欲情が香り出した。

こくり。

その香りに反応して弾んでくる息を漏らさないように、口を閉じたまま大きく頷く。

「もういいかな……」

回転しながら指を閉じたり開いたりさせて、隼人がボクの顔を見つめる。

うん、もう十分。
徐々に濃くなる匂いに包まれてうっとりしながら、こくこくと首を縦に振る。

「しようか?」

うん!

ああ、やっと……。

思わず熱い吐息が洩れる。

「挿れるぞ」

ぺとりと、熱い塊がアナルに押しつけられた。

こくこくこくこく。

何度も頷く。
そのまま、そのまま!
そのまま、ずずっと、奥まで犯して!

もう隼人の匂いしかしない。
甘くて、いやらしくて、大好きな匂い。

「……ふン……ぁぁあぁあ……」

ずずずっと内壁を擦りながら隼人のペニスがボクの中にゆっくりと埋め込まれていく。

ああ!
なんて充足感!

隼人の熱に押し出されるように吐息が漏れる。
まだ入りきってもいないのに、ボクの内側は喜びにきゅうきゅうと隼人を締め付けていた。

「……だい、丈夫そうか?」

少し苦しそうな隼人がボクを覗き込んで、おでこにキスをした。

「へえき……っはあ……ひもちい〜よ〜……」

隼人の鼓動に合わせてどくどくと膨らむ血管が入り口を擽る。
何度も体を重ねるうちに教え込まれたペニスの形。
ただそこに埋め込まれただけで、ボクの体はじわじわと快感を拾い上げる。

幸福感にへにゃりと笑うと、隼人が頭を撫でてくれた。

あ〜、幸せ…………。


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