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脇役的事情
04

俊明を眼光で縫いつけたまま、悟は自らのネクタイの結び目に指をかけて緩めた。
動作の一つ一つが無駄に色気をまき散らしている。

おっさんの色気とか、どうかと思わないでもないが、しっかりと反応してしまう息子は本人以上に嘘を付くのが苦手だ。

ペロリと唇の間からのぞいた舌の赤さにドキンと鼓動が跳ねた。

欲しい。

喉の渇きに良く似た欲望に従って、俊明は悟の唇に食らいつく。
甘やかすように差し出された舌は甘い。
お互いに貪るようなキスの隙間から、どちらのともつかない荒い息が漏れた。


「っふ……」

悟の性急な手が、俊明のパンツをくつろげて、下着越しに完全に立ち上がった息子の形を確かめるようにそっと撫でた。
鼻にかかったような声が漏れ出るが、悟の唇にふさがれてくぐもった音にしかならない。

先っぽをくりくりと撫でられて、腰が浮く。

「ふっ……堪え性のない奴だ」

既に下着に小さな染みを作っていた事を指摘された。
からかい交じりの口調ではあったが、悟が満足そうに笑うので、心に沸いた反抗心が立ち消えていく。

下着越しの愛撫を続ける悟の、唾液で光る唇が弧を描いている。

「ほんと、おまえのココは理想的だよな」

誉められるのは良いのだが、何となく微妙な心持ちになった。
ムードも何もあったものじゃない。


おっさんにそんなモノを求めちゃいけないのかも知れないが。


下着をズラされ、元気いっぱいの息子が外気に触れてふるりと震えた。


自慢ではなく、正直、大きい方だと思う。
そもそも身長が高いし、スポーツを続けているから筋肉も付いている。
その体に見合った息子さん。
まあ、でかいのだろう。

だが決して喜ばしいものではなく、歴代彼女との別れの原因は、大抵がこの息子だった。
彼女たち曰わく「痛い」のだそうだ。
そう言われても、努力で小さくできるモノではない。
自分に可能な限り優しいセックスをしても「ムリ」と拒否られてきた。
無用の長物。
ほんと、笑えない。


「……余裕だな?」

ぼんやりしていた俊明を、悟が見上げる。

ん?
見上げる?

気づけば俊明の膝の間に体をかがめた悟が、舌を大きく出していた。


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