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老いも若きも等しく



ポストマン×寂しい老人
片思い、キス
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主な仕事の内容。
郵便物の配達。
回収。
それから、ジジババの安否確認。

配達物を郵便受けに投げ込んで終わりじゃねえ。

山間の疎らにある民家には一人住まいのジジババが多い。
チャイムを鳴らして、大声で呼ぶ。
出てこなきゃ裏の畑を見に行く。
そこにいなきゃ家に上がりこんで探す。
倒れてねえか、くたばってねえか、チェックしなきゃならねえんだと。
んなクソ面倒臭ぇ仕事、直ぐにやめてやろうと思っていた。

しゃべりだしたら止まらねえババア。
訳の分からねえ事で怒り出すジジイ。
超うぜえ。


それでも、慣れてくれば最近は少し悪くねえかとも思う。


「ハヨっす。内田さん」

「ああ、ご苦労様」

古い家の濡れ縁に座って庭を眺めていた老人が、オレを見て笑った。
悪くねえ、ってゆーか、結構イイのの理由はこの人。

内田さん。
超渋い。

世の中にこんなイケてるジジイがいるのかと衝撃を受けたね、オレは。

「手紙っすよ」

「いつもありがとう」

「内田さんに会うためなら崖崩れがあろうと乗り越えて来ちゃうっすよ、オレ」

「っはは! 崖崩れは困るなあ」

「そっすねえ」

内田さんが笑ってくれると、オレも超幸せになる。
恋してんな、オレ。

内田さんの横に立って目線の先を辿ると、庭先の古びた檻が目に入った。
数週間前まで、その檻には主がいた。
邪な考えを持つ俺にうるさく吼えていた番犬は、今はその横に軽く盛られた土の中。
静かなもんだ。


内田さんの目はいつも悲しそうだ。
それが仏間にあるいくつもの写真の所為だと分かったのは、愛犬を失い正体をなくすほどに酔った内田さんを介抱した時。

「置いて行かないでくれ」と涙を流しながら弱弱しく俺にすがった内田さんに、思わずキスをした。
何度も何度もキスをして、抱きしめた。
そのまま寝息が聞こえなければ、オレは何をしていただろうか。


オレの恋心。

加速しちまった恋心。


大丈夫、オレは置いて行きゃしねえよ?

なんなら、駄犬の代わりにあの檻に入ろうか?
それとも、内田さんが入る?

オレが下の世話までしてやるからよ。
もちろん、エロい意味も含めて。



だから、ほら。
その目にオレを映してくれよ。


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ちょっぴりヤンデレ風。
やんちゃ少年は高校を何とか卒業して、親のコネで郵○局の嘱託になりました。
内田さんの年齢は、結構高齢の予定でしたが明記しません。
ご想像にお任せします。


ポストマンが老人の安否を確認してくれるかどうかは知りませんが、配達のついでに回収はしてくれます。
家の辺りだけでしょうか?
実家ではそんな習慣はなかったのでびっくりしました。

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