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老いも若きも等しく


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探偵×助手
舌戦
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重厚な木の扉を開けて、安楽椅子に座る人物に頭を下げる。

「先生、本日の依頼人ですが」

「ああ、通してくれたまえ」

ちらりと私に視線を送ると、つまらなそうにそう言う探偵に言葉が詰まる。

「……どうした?」

「……今日は……、私が依頼したいのですが……」

「君がかい?」

「はい」

「依頼料が高額になる事もあるが?」

「存じております」

ふーん、と頷きながら微かに笑みを浮かべた探偵が、椅子をキィと鳴らせた。

「宜しい。話を聞こうじゃないか」

磁器の人形のような左右対称の美しい顔。
その真ん中にはめ込まれた玻璃の玉のような目が、私の顔をじっと見つめた。




「で? 消えた肌着は僕が持っていた訳だけど? 他に質問は?」

「……何故、入浴中に持っていかれたんですか?」

「湯上りの困った顔が見られるかな、と思って」

「……何故、肌着だけ?」

「スカスカして、どことなく不安げなのがいいんじゃないか」

「……その後、肌着は?」

「僕のベット脇に置いてあるよ!」

「……何故ベッド脇に……」

「そりゃあ……ねえ……? 知りたい?」

「……やっぱり結構です」

探偵の困った悪戯は、今に始まったことではない。
普段ならば本人が飽きるまで放置しておくのだが。

……数日間続いたこの悪戯の所為で、私の下着の替えがなくなってしまった。

流石にこの事態は捨て置けない。

「お返しくださいますね?」

「うむ。わかった」

鷹揚に頷く探偵にため息が漏れる。
全く、優秀な方なのに、変な所が子供なのだ。

「さて、謎はこれですべてかい?」

「はい。結構です」

「では、報酬をいただこうか」

「…………」

何を言い出したのか。
真意を測りかねて探偵を見ると、ニヤニヤとわざとらしく下卑た笑いを浮かべている。

「依頼だろう? 僕は謎を解いた。報酬を要求するのは当然だ」

椅子から立ち上がった探偵が私の腰に手をかける。
すっと滑り降りた手のひらが、尻を撫で回した。

「そういう事は、チンコの皮が剥けてからなさってください」

「いたっ!」

柔らかな手の甲を抓ると、探偵のふっくらとした頬が、フグのようにぷーっと膨らんだ。
可愛らしい唇が、つんと尖る。

「失礼だぞ!」

「事実です」

「見ていろよ。今に大きくなって、押し倒してやるからな」

「はいはい、私が死ぬまでにお願いしますね」

「むむむ!!!」

最大の謎は、こんな老いぼれにどうしてこうまでご執心なのか、という点なのだが。
その謎は、きっと探偵にも解けないのだろうと、私は密かに思っている。


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『探偵青猫』が頭に浮かんでしまいまして。
パンツネタになりました。
探偵と少年助手も良いかと思ったのですが、パンツを盗む探偵が「汗」の変態上司とカブってしまったので逆転。
可愛らしく(?)仕上がりました。

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