「
0°ポジション」
月曜日B
駿兎先輩の舌が、オレの口の中で蠢いている。
気持ち悪い、とは思えなくて、ちょっと自分でもびっくりだ。
唇の内側をそろそろと舐められて、くすぐったさに体が震える。
きっと密着した駿兎先輩にも伝わっているんだろう。
そう思うと、恥ずかしくて、煩い心臓の音が更に煩くなる。
離れたくても、ぎゅっと、俺の体を抱きしめる駿兎先輩の腕がそれを阻む。
背中に触れてくる手のひらが、じとりと熱くて。
薄目を開けて見た駿兎先輩の顔が、とても色っぽくて。
触れ合った部分が、全部ドキドキして。
はっ……
はあ……
はあ……
合間に漏れる息が、熱くて。
駿兎先輩の息も、熱くて。
「っぱ、ぃ……」
駿兎先輩の背中に回した手に力を込めて、自ら、体を寄せた。
だって、堪らない。
頭がくらくらするくらい、ドキドキする。
興奮、してる。
どうにかして欲しくて。
具体的に言ってしまえば、もっとスゴイコトをして欲しくて。
駿兎先輩に縋り付いた。
いつまでも入り口から入ってこようとしない闖入者を、ちょん、と舌先で突付く。
それは、きっと甘い、甘い、罠だったらしい。
突然牙をむいた駿兎先輩が、キスを深く、濃いものにした。
ああ、そう。
誘ったのは、きっと、オレ。
だから、文句なんて言えない。
「っん……む……ふっ、ちゅ、む、ふ……ぁむ」
強く抱きしめられて。
舌を絡めれて。
擦り付けられて、吸われて。
その間も、その小さな体に不似合いな大きな手が、オレの体を這い回って。
くちゅくちゅと、水音がする。
ヤバイ。
ヤバイ。
頭がぼんやりする。
気持ちいい。
合間合間に、オレの掠れた声が漏れる。
あ、
あ、
と、ひくひくと自然と体が揺れて、閉じられない口からは止め処なく零れる唾液と声、……ああ、これって喘ぎ声なの?
ゾクソクする体を駿兎先輩に擦り付けるようにすれば、更に愛撫が濃くなった。
ふっと、駿兎先輩が息を漏らして、笑われたんだって分かる。
恥ずかしい。
でも、その羞恥心すら、興奮する。
キス。
凄い。
キスってこんなに、エロいんだ。