「
試してみよう」
02
梅雨の時期特有の湿気の多い空気が体に纏わりつく。
普段ならば、部活に勤しんでいるこの時間。
雨でグラウンドが使えなければ、やる気のない顧問によって帰宅を命じられてしまった。
外で思い切り体を動かせない。
くそう。
なんかこう、むらむらしてくる。
その所為、だろう。
「ね? どう?」
オレを覗き込んでくる知巳のきらきらした目に言葉が詰まった。
「気持ちよくなってきた?」
「…………」
「乳首、気持ちいい?」
「お前。……も、しゃべんな」
知巳の口からチクビとか言われると、なんかもう、どうして良いのか分からなくなる。
聞いてるこっちが恥ずかしい。
同じ男だけど。
分かってるけど。
あの外見は凶器だ。
ああ、くそう、もぞもぞする。
「あは、守、腰が動いてる」
「うるせ」
背後の翔也が、変な色気を含んだ声でからかってくる。
あの流し目をしてるんだろうか。
「守、乳首立ってるよ」
「……しらね、ぇっ!」
ぎゅっと乳首を摘まれて、ぴくりと体が揺れた。
痛いような、むず痒い様な。
とにかくもじもじして落ち着かない。
「え、見たい」
「ああ? っちょと……」
正面の知巳があっという間にオレのシャツのボタンを外した。
おま……。
そんな顔して手馴れていらっしゃる?
はだけた上半身に、背後から翔也の腕が抱き込むように回されている。
長い指先が弄んでいるのは、オレの乳首。
目の当たりにして、ガンと頭を殴られたようなショックを受けた。
何されてるんだろう、オレ。
情けないような。
恥ずかしいような。
興奮するような。
ダチの家で、ダチに乳首弄られて、それをダチに見られて。
頭の中がぐちゃぐちゃだ。
「あ、よかった、守も乳首、感じるんだね」
「!!」
知巳の小さな手が、足の付け根にそっと触れた。
びくりと肩がゆれる。
嘘だろ、おい。
視線を股間にやれば、ズボンの上からでもはっきりと、ジュニア君が元気になっているのが分かった。