「
誕生日に」
あとがき+オマケ
自分の誕生日なので、何となく誕生日企画です。
自分、おっさん好きだと思っていたんですが、良く考えたら、少し前までショタだったんですね。
忘れてました。
おまけ side:こいつ
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入学後暫くして、ダチに連れられて行ったゲーセンで、いかがわしい生物に出会った。
ブレザーはどこに行ったのか。
制服のシャツのボタンは全開。
胸元どころか、腹まで全部見えている。
真っ白い肌。
腰も腹も胸も、全てが細くて、折れてしまいそうな程だ。
わざとらしく下品な笑い方をしていたが、ビー玉のような綺麗な目が印象的だった。
何故か、見てはいけないと俺は思った。
エロ本を公衆の面前で見るのは気が引ける、そんな感情。
それから、その生物がどうも気になって、俺は時々ダチの誘いに乗るようになった。
一緒にいても、俺はそいつを直視しない。
視界の端に映して、それで満足していた。
いつしかその生物は、俺の隣にいることが多くなった。
視界の端で、そいつはまん丸のビー玉に俺を映している。
あきもせずに、ずっと。
多少困惑すると共に、何となく嬉しかった。
友人とじゃれあうそいつを見るたび感じるイライラは、それだけの事で軽減されていった。
部活が早く終わる雨の日を心待ちにするようになっていた俺。
頭が沸いている。
自覚はあるんだ。
まあ、だからってどうこうなるの気はない。
だって男同士だろう?
面倒が先に立つ。
「あのさ、うざいから、どうにかしろよ」
その日、急に、ダチがそんな事を言い出だした。
「……何を?」
「いや、気づいてるだろ」
「あー……」
まあ、皆気づいてるよな、そりゃ。
あからさま過ぎる。
アホな子。
「今週末さ、あいつ誕生日なんだわ。どうにかしろよ」
ニヤニヤと笑うダチが俺の肩をもむ。
「どうにか……ね……」
アホの子をどうにかするなんて、可哀想だろう。
いきがっていても、その方面も経験が少ない事は見て取れる。
「まんざらでもないくせに」
そう、まあ、そうなんだ。
あいつがエロいのが悪い、と責任転嫁してみるが、仕方ない。
「……わかった」
にやりと口元に笑みを浮かべる。
待ってろよ。
食われたがってる獲物を逃す程、優しいハンターじゃない。
思い浮かべる獲物の細い体に、心の中で舌なめずりする。
欲しいもの、プレゼントしてやろうじゃないか。
終
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あれ、おかしい。
黒くなっちゃった……。
ありがとうございました。
ふじ