「
痛い」
首
人狼×吸血鬼
いちゃいちゃ
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痛い。
首が痛い。
少し我慢していたが、やっぱり痛い。
「痛てえよ」
俺に抱きつくようにして首に歯を立てていた男を思い切り蹴飛ばしてやった。
「ふごっ」とくぐもった声をあげて数メートル吹っ飛んだ男は壁に激突して床に落ちた。
伸びた体の上にひび割れた壁の破片が降り注ぐ。
少しやりすぎたかと反省しかけたが、立ち込める埃の中にぴょこんと立ち上がった男を確認して、取り消した。
甘やかすのは良くない。
ぴょこぴょこ近寄ってくる顔色の悪い男が口を尖らせる。
「もー、酷いよ。怪我しちゃったよ」
ほらほら、と見せつける手の甲を見れば、微かに擦り切れて血がにじんでいた。
「んなもん舐めれば治る」
ひょろい手首を掴んでべろりと舐めてやれば傷は跡形なく消え失せ、男の頬に僅かに赤みが差した。
その初な様子が可愛くて、髪に付いた壁のかけらを払うのを理由に男に触れる。
ニコニコと嬉しそうにする男に対して湧いてくるのは、愛しさと苛立ち。
俺の我慢も限界がある。
「お前さ、やる気あるの?」
「あるって! お前の皮膚が硬すぎなのが悪い」
確かに俺ら人狼は人間ほど柔らかくはないし、再生能力も高い。
吸いづらいのは間違いないだろうが、男の一族自慢の牙にかかれば大した問題ではないはずだ。
わざとらしく溜息をつけば、途端に男の赤い瞳が不安に揺れた。
「……ごめん……下手くそで……」
大抵の吸血鬼は14、5歳になるころには痛みを感じさせる事なく血を吸えるようになる。
精通があるのと同じ時期で、大人への通過点とも言える。
この男は、どうもその方面に疎い。
おぼこいと言う言葉がピッタリだ。
精通は、何とかある。
恥ずかしがる男を何度か手淫でイかせた。
ピンクの可愛らしいペニスの先から白濁を零す姿は、倒錯的でくらくらした。
が、依然として血は上手く吸えない。
吸血鬼としては半人前だ。
「なあ、俺さ、約束破りたくないんだけど」
20を超えた今でもダメなのだと、そんな恥ずかしい告白をして来た男が可愛くて、つい、一人前になるまで待つと約束してしまった。
「そろそろ限界かも」
一年。
よく我慢したと自分を誉めてやりたい。
ドサリと床に押し倒すと、不安を浮かべた瞳が見上げてきた。
「っガキの癖に! 生意気!」
「ここは十分大人なもので」
強がる男の足に立ち上がったぺニスを押しつけてやると、真っ赤になって瞳を潤ませる。
誘っているようにしか見えない。
ヤりたい盛りの人狼には目の毒だ。
まあ、結局は惚れた弱み。
無理矢理なんてできっこない。
待ってやるよ。
だから、
頼むから、
早く上達してくれよ?
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人狼くんは12歳くらい。
獣に近いので、発育が良く性に関しても早熟な一族です。
身体能力と再生能力は高いけれど、それだけ。
寿命も短かいし、戦闘的だから若くして亡くなることも多い。
吸血鬼くんは24歳くらい。
アンデッドなので気が長い。
人狼がムラムラしてがっついて傷付けての大人のフォローとか。
大怪我した人狼の血を舐めとりすぎて、ラリって淫乱化とか。
いちゃつけばいいさ!