女装話。凄く酷いSSSなので、耐性のある方のみ先にお進み下さい……。








「ラグ……君は先に行って下さい……」
「ゴ、ゴーシュ、何を言っているの!? もう少しじゃないか、一緒に頑張ろうよ……!」
ラグは膝を付き、消え入りそうな声でそう言ったゴーシュの手を元気付けるようにぎゅっと握った。ゴーシュ・スエードは見るからに消耗していた。今までのことで精神的にもやられているのだろう。
精神的にやられてしまうということは、「こころ」も相当消耗していることになる。つまり、危険な状態なのだ。
ゴーシュは疲れきったような顔を上げ、ラグに目を合わせた。
「ラグ・シーイング、君なら一人でも大丈夫です。今まで一緒にいたぼくには分かります」
「ゴーシュ……」
自分のことを信頼しきったようなゴーシュに、ラグは涙が出そうになった。しかし、こんなところに弱っているゴーシュを置いて行ける筈がない。ラグは再び力を込め、元気づけるようにゴーシュの手を握りなおした。

「ゴーシュ……、



嫌なのは分かるけど、潜入捜査なんだから仕方ないと諦めてくれないかな」



「い、嫌です。ぼくはもう限界です。これ以上はこころを失くしてしまいそうです!」
「条件はぼくも同じなんだから諦めてよ! ぼくだって滅茶苦茶恥ずかしいんだからね!」
「ラグは大丈夫です。似合ってますよ、ララちゃん」
「うわぁぁああああん! やめてぇえええ!」
にっこりと笑って言われた言葉に今度はラグがへこたれそうになる。
そう、二人の今の格好は、どう見ても女物であったのだ。
「アリア・リンクに体力があればこんなことには……うぅ」
「ニッチがもっと世間慣れしていたら安心して送り出せたのにぃ……」
仲間の女性陣には問題のある者ばかりが揃っていたため、こうして二人が女装するハメになってしまったのだ。他の女性に頼んでもよかったのだが、生憎実力の伴うものが少なかったことと、出払っていたことも理由である。内心泣きながら、それでも「仕事だから」と割り切って頑張ってきた二人だが、こうして潜入先である女子寮を前にするとどうにも心が折れそうになる。
「ぼく、もう仕事をやっていける気がしません。ラグ、ぼくの遺志を継いで頑張って下さいね。応援しています」
「遺志って、ゴーシュまだ死んでないでしょ! 何ぼくに丸投げしようとしてるのさ!」
「もうBEEのゴーシュ・スエードは死んだんです。ぼくはこれから、今までため込んだ資金を元手に何か企業をおこすことにします」
「何言ってるのゴーシュっ! 大丈夫だよゴーシュも十分可愛いよ!?」
「嬉しくありません!」
「そんなのぼくだって嬉しくないよ!」
街中でぎゃんぎゃん騒ぐ二人は周囲の視線を集めていたが、必死な二人はそんなことには気付かなかった。
「いくしかないよ! 頑張ろう、二人で力を合わせれば何だってできるよ!  ぼく信じてる!」
「ラグ……ぼく、何だかラグのことが(以下、自主規制



2010.03.02 blog


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