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書きかけやら短文やら
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青桜
 大雑把な彼はいつも、僕の手から全てをかっさらっていく。
 桜井は空になった弁当箱を手にため息をついた。今日も、だ。これからまだ練習があるというのに、空腹は満たされることはなく、むなしく腹の虫が鳴いている。
「ほんま桜井も可哀想やなぁ」
 今吉は惣菜パンを片手にけたけたと笑っている。
「まぁ仕方ないか、お前は青峰のお気に入りなんやから」

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青峰がログアウト中

2012/11/16 02:53


火黒
「時々怖くなるんです」
 消え入るような声でぽつりと呟いた黒子に、火神は眉を顰めた。
 決して弱気な姿を見ることが無かったわけではない。ただ、いつもとは違う雰囲気を纏った彼は、今にも目の前から消え去ってしまいそうだったのだ。例えるなら線香花火が一番近いかもしれない。黒子はそれきり黙りこくってしまった。
 暫くの間、言葉は出なかった。言葉を選ぼうにも、今の状況に相応しいものが思い付かなかったからだ。

杞憂に終わればいいと心底願いつつ、火神はようやく口を開いた。

2012/11/16 00:23


月リコ
 傍らで見つめるだけの鷲は、ずっと機会を待ち続けていた。目先にあるが手が届かない、遠い獲物を何時かっさらってしまおうか、幾度となく考えていたのだ。そうしている間にも獲物は無自覚に此方を誘惑するように、きらきらと輝いていた。鷲は何度も生唾を飲み込みながら、獲物が油断する時を、獲物が此方へ振り返る時を、ずっと待ち続けていた。

2012/11/15 23:57

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