蠢く世界、争いの果て、きっと誰かが泣いている。

◇トスカーナ・復讐編(3年目・夏)

 イタリアを発端としたマフィア間の激しい争いは、やがてヨーロッパ全域を巻き込むほどの争いとなる。最大勢力と対立するボンゴレファミリーは、自警団としての殻を破ることはできずに難航していた。
 そんな中で、予想だにしなかったシモンファミリーの応援と、孤立。Dの暗躍。気付いたジョットは、秘密裏にほかの守護者をコザァートの救援へと向かわせる。一人の守護者の裏切りを、誰も許そうとはしなかった。『プリーモ』、ただ一人を除いて。
 ボンゴレ守護者達の救援もあり、シモンファミリーは致命傷を負いながらも壊滅を免れた。コザァートは数年ぶりに親友のジョット・G・エルザと再会することになる。しかし、それは喜ばしいことではなかった。Dの脅威に気付いたコザァートは、ファミリーとともに日陰の道を歩むことを決める。「俺の事は死んだと思ってくれ」彼の意思は固い。そこに、黒い炎をともに復讐者が現れるのだった。ボンゴレとシモンが負う罪。血の契り。まるでマフィアのようだと、Gは唇を噛んだ。エルザは、ボンゴレの一員としてシモンファミリーの援助を行うと提案する。そんな彼女を、コザァートが『架け橋』だといった。これからもボンゴレとシモンを繋ぐ架け橋。その言葉で、ジョットはついにエルザを最後のリング所持者、"虹の守護者"にすることを心に決めた。
 そこで初めてエルザに語られるのは、ボンゴレファミリーの創始に関わった一人の不思議なシャーマンとの出会い。大切な人を守れる力を求めたジョットはそのシャーマンから8つのリングを託された。そのリングの名から、ファミリーをボンゴレとした。ランポウ、ナックル、アラウディ、雨月、そしてD。大切な仲間と出会った日の事を思い出し、エルザに語る。一つ一つ託していったファミリーの絆、リング。
 ボンゴレの守護者に保護されたシモンファミリーと、コザァートが合流する。ボンゴレとシモンは別々の道をゆく。二度と会うことはないだろう。ジョットとコザァートは確信していた。それでも彼らは信じている。お互いの永久の友情と、ファミリーの永続。いつかまた、自分たちの子孫がしがらみから解放されたとき、笑いあえる日が来ると。

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