解説
【誕生の経緯とそれから】
初期のETERNAは2011年ごろに誕生しました。元々、トワマチの主人公でリボーンの原作沿いを書こうとおもっていたのですが、その頃にちょうどジョットにはまり、繋がる話として初代ファミリーの話を書き始めました。以前運営していたサイトにて、同じタイトルで執筆していたものを再構成したものです。
次第に、ヒロインとジョットの恋愛模様よりも、原作で小出しされている初代の情報を都合よくつなぎ合わせていくことが楽しくなりました結果の解説です。
【29巻・標的277より】ランポウ『あの子(ツナ)、言ってることがボスと同じだ』
(捏造)ということはツナのセリフはジョットにも言わせなければならないセリフとして、白蘭と対決したツナのセリフの一部を抜粋・改変してジョットのセリフとして2カ所に盛り込みました。
・カタファルコ島編
・継承式直前
【35巻・標的333より】コザァートを救出した場面で、ジョットがバミューダを知っていた件
(原作)あの場面に至る以前に、ジョットがバミューダ個人と面識がなければ『復讐者!……いや、バミューダ・フォン・ヴェッケンシュタインというべきか』とは言えません。
(捏造)ですので、ETERNAでは原作エピソードの前に、運命の日にまつわるオリジナルパートを差し込みました。
【虹のかけらについて】
(原作)10年後ヴァリアーのリングの原石となっているものです。U世のコレクション。
(捏造)虹といえば、やはりアルコバレーノを想起せざるを得ません。トゥリニセッテにおいて最初に位置付けられたのはアルコバレーノなので、セピラとチェッカーフェイスが世界の秩序を保つ7つの石を割った時に「零れ落ちたもの」として設定しました。
歴代所持者に関して:ETERNA主人公の父(アルコバレーノ)→主人公の母(強盗に奪われる)→(取り返して)主人公→U世に譲渡
【罪と罰について】
コザァートの血である「罪」をボンゴレが家宝としながら、ジョットの血である「罰」はなぜタルボが持っていたのか?
(捏造)シモンとボンゴレの離別の時、ジョットとコザァートはお互いに血を小瓶に入れ(血の契り)、それぞれ交換します。コザァートが流した血は「ボンゴレにとっての"罪"」、ジョットが流した血は「ボンゴレにとっての"罰"」。ボンゴレの歴史の中で、「罪」が初代シモンの血であると語り継がれてこなかったのは、ジョットとコザァートの接触をデイモンに悟られないために「コザァートの血である」とはU世に伝えられなかったからであると想定します。
一方、コザァートは晩年にシモンリングの封印を決意します。そこで彫金師タルボと出会い、シモンリングの強大な力を封印させますが、タルボから封印を解くにはコザァートの血が必要であると伝えられます。初代ボスの血がリングに力を与えるということに、コザァートは気付きます。そして、ジョットの血である「罰」を持っていることに危機感を覚えました。ボンゴレも既にU世に継承されている時代で、ボンゴレリング分割のことは聞いていました。抗争を繰り返し、勢力を広げる武闘派のU世。シモンファミリーは謎の勢力からの迫害を受けることがあり、コザァートはそれがDの仕業であると気付いていました。もし、ボンゴレリングがジョットの血で覚醒するようなことがあれば、ボンゴレは一層武力を振るうようになり、ジョットの意志からかけ離れたものになることをコザァートは案じました。やがてシモンファミリーが襲撃を受けたとき、ジョットの血である「罰」がボンゴレU世ファミリーに奪われることを危惧し、コザァートは彫金師タルボに「罰」を預けます。それぞれのリングが、それぞれを創始した男達の血を浴びることになるのは、それから9代の時を経た先のことになります。
【懐中時計について】
(公式)懐中時計はジョットが守護者にプレゼントしたもの(ドラマCDより)
@原作とアニメの相違点→蓋裏が異なる
アニメ:懐中時計の蓋裏には『Givro eterna amicizia(永久の友情を誓う)』と。初代ファミリーの懐中時計設定は、時期的にアニメの方が先に出たかとおもいます。
原作:継承式編の終盤で、Dが落とした懐中時計の蓋裏にはファミリーの集合写真。
(捏造)エレナの死を招いたボンゴレ襲撃事件の際に、Dの懐中時計が壊れてしまい彼は懐中時計を修理に出します。その際、時計屋に、エレナも一緒に写っているファミリーの写真を蓋裏にいれるように頼みます。「強いボンゴレをつくる」と決心した当初のDは、まだU世と結びついてマフィア界のトップを目指すという計画を考えていません。彼は「強いボンゴレとは何か」を追及していくうちに、「プリーモのいないボンゴレ」という答えにたどり着いたのだと思います。懐中時計に写真を差し込んだ時点では、まだ初代ファミリーとやっていくつもりがあった。だから、蓋裏には初代ファミリーの写真を入れたままにしている。Dにとって、T世の言葉である「永久の友情を誓う」の文字が隠れたのは、後から考えると皮肉のようなものです。
A時計の針が止まった時間
(アニメ)リングに宿った意志として現れた初代ファミリーの懐中時計は、すべて12時を少し過ぎたところで止まっています。
(捏造)その時刻に一体何があったのか? おそらく彼らが生きていた時代に全員のものが実際に止まったのではなく、初代ファミリーとDの決別が決定的になった瞬間だったのではないかと想定します。それがリングに宿る意志となって表れたとき、懐中時計に反映されたのかと。
【零地点突破について】
零地点突破は、原作リング編の解説から「T世がU世を抑えるために編み出した技」だと解釈していました。しかし、ゲーム(フェイトオブヒートV雪の守護者来襲!)のオリジナルシナリオで、「パーヴェントという男をT世が零地点突破で氷漬けにした」というエピソードがあります。せっかくの初代ファミリーに関する貴重なエピソードなので、ETERNAにも盛り込みたいと思いました。U世に零地点突破を使用した後では、クーデターによりボスの座を退く流れに水を差すようになるので、順序はこのように捏造しました。
@U世の憤怒の炎が脅威になると察し、零地点突破のための修行を始める。
Aパーヴェントとの対決で実戦成功
BU世との対決でも成功
【土地について】
主人公たちの出身を南部カラブリアにしたのは、マフィアの起源といわれるシチリアからほど近いという理由です。ジョットの生まれが貧しい街ということなので、北部より厳しい生活を送っていた南部にしました。
ナポリ(イタリア半島をブーツに見立てたら足首のあたり)は、ナポリでマフィアを寸止めしたい組織カヴィリェーラ(アンクレット)のエピソードを書きたかったので、位置としても丁度よい場所でした。アンクレットは悪いものが体のうえの方へ上がってくるものを防ぐ、という謂れがありますね。
ボンゴレの本部が北部にある、という設定は原作の継承式編で復讐者がツナたちに見せた記憶のなかで初代ファミリーが集まって話している場面から捏造しました。「南イタリアの戦局はどうなっている」というセリフがあるので、それを言うのなら彼らはそのとき北イタリアで活動していたのだな、という。
【ボンゴレファミリーについて】
U世ファミリーへの継承まではボンゴレはあくまでマフィアではなく、ジョットの意志で自警団としての姿勢で一貫していました。しかし一方で、周囲からはその強さ・組織力でマフィアと扱われ始めている側面も描写しました。
こんにち、業界トップとして君臨するボンゴレも、T世ファミリーの時代から最強だったわけではなく、より強い勢力がありました。継承式編で語られるその過去では、「ヨーロッパ全土の権力を掌握するための戦争で……」とあります(規模にかんしてはシモンファミリー側が言った言葉なのでDに吹き込まれた嘘かもしれない、信憑性は微妙)。シモンファミリーとの一件があった戦いです。あの結果は、ボンゴレの敗戦という扱いにしました。パーヴェントにまだ最強のマフィアでいてもらわなければ、零地点突破習得へつなげられないので。
【ボンゴレリングについて】
ユニの祖先であるセピラという女性から、ジョットが受け取ったという公式設定がありますね。セピラは自警団である彼の組織がマフィアになることを予知して、リングを与えたとします。ジョットとセピラが出会った当時、まだ自警団に名はなく、セピラの頼みで「ボンゴレリング」を受け取り、ジョットはそのリングの名からファミリーの名前を「ボンゴレ」にしたという捏造です。名もなき指輪を貰い、すでに「ボンゴレファミリー」と名付けていたのでリングを「ボンゴレリング」と呼んだ、というのもあり得ます。しかし、ユニが覚えている歌の歌詞が縦の軸を意味するあさり貝であることに意味があるので、やはりリングは最初から「ボンゴレリング」だったのだと思います。
【虹の守護者について】
虹に関してはアルコバレーノと被りますが、原作の七属性のすべての色を持つ虹が最後の守護者、というのがかっこいいかな〜〜と昔考えていたのが虹の守護者にしたきっかけです。
旧ETARNAでは、現在のナポリ編に当たるエピソードが終わり、主人公がボンゴレに加入すると割とすぐに守護者になる展開でした。しかし、今回のETERNAではほぼ後半まで守護者になることはありませんでした。ジョットに大切な女性を守護者にすべきか葛藤してほしかったからです。虹のボンゴレリングはずっと彼の手元にありました。ほか6人の守護者を揃えてから数年、未だに虹のボンゴレリングを託す相手を見つけられないでいました。そこで幼馴染と再会し、巻き込むつもりは一切なかったのですが、ナポリでの一件から主人公がボンゴレに入り、特別な才能はなくてもファミリーたちを繋ぐ存在として、ジョットは彼女こそ虹であると確信します。しかし、守護者の地位を最愛の人に託すことは、同時に危険にさらしてしまうこと。本人の知らないところでジョットは渋り、悩みます。そこで起きたコザァートとの一件で、「エルザはボンゴレとシモンを繋ぐ存在だ」といわれたことをうけ、エルザを虹の守護者にすることを決めます。
虹の守護者にはファミリーを結託させる役割、ボンゴレと外部ファミリーを横に繋ぐ役割(キャバッローネ・シモンetc)、また、T世ファミリーとU世ファミリーを縦に繋ぐ役割がありました。
【ランポウについて】
原作では「初代雷の守護者で地主の息子」と解説され、アニメでは「領主さま」と自称しましたランポウですが、ここもこじつけました。
@原作(生きていて守護者時代)→地主の息子
Aアニメ(リングに宿った意志)→一生涯を終えた後で、実際に領主になっていた
【アラウディについて】
解説するまでもないですが、初代雲の守護者であり、初代門外顧問であるというのは、兼任を意味するものではありません。U世継承以降に門外顧問としてボンゴレを外部から高みの見物していたのだと思います。
また、「己の正義とT世の正義が重なった時、誰よりもファミリーに優しかった〜」というエピソードも、クーデターの時に。ナポリ編であらかじめアラウディとジョットの正義が重ならない描写をしたうえで、その展開に持っていくつもりでした。
(捏造と余談)某国の諜報部のトップとありますが、どこの国を想定して書いていたのかというのは、ナポリ編で彼に名乗らせた「アルバート」という名前から想定していただければとおもいます。本編に登場させるまでには至りませんでしたがウィラードという部下を登場させる予定でした。雲雀さんにとっての草壁さん的な存在です。「ウィル」なり、アラウディにもそういった略称で呼べる部下がいたらいいなと。
【ジョットについて】
孤児院で育ったという設定にしました。ブラットオブボンゴレと言われる特別な血を持っているからこそ、そのルーツに関してはぼかしておくべきだと思ったからです。セコンドとの血縁関係は確実ですが、セコンド自身も同じ孤児院の出身とすることで曖昧にしています。兄弟?従兄弟?
【Gについて】
ジョットからなぜアーチェリーを授かったのか、そもそもなぜジョットはアーチェリーを持ってたのか。ジョットからの直接の依頼の時に用いたGのアーチェリーですが、依頼内容は決して人殺しや汚れ仕事ではなかったはずです。
刺青に関して捏造です。主人公と出会ったばかりの頃は5歳ですし、まだ顔に刺青は入れていませんでした。しかし原作でコザァートと出会った時点では刺青があるので、それまでの間に思うところがあり、刺青を入れたということで。孤児院で育った設定なので、自分のルーツを知り、今はもう居ない父親と同じ刺青を背負っていくことにしたと捏造です。また、Gを名乗る理由は本名なのか、あだ名なのか……ジョットのGなのか、単なる自分の頭文字なのか……。(獄寺のGなんでしょうけど……)
【ナックルについて】
ナックルがボンゴレに加入したのと、強さのあまり対戦相手を殺めて悔い改めたの、どちらが先なのか明確ではないのですが、ETERNAにおいてはボンゴレ加入前に既に神父になっていたと捏造しました。では、戦わずに守護者としてはどう尽力してきたのか?マフィアでない自警団時代のボンゴレなら、神父としての彼の存在は、カトリックの国イタリアにおいて市民にとっても仲間にとっても非常に大きい存在であったと思います。一度だけ拳を3分間解放して戦ったのは、クーデターの時です。
様々な人がジョットにより集められた初代ボンゴレファミリーのなかでは、宗教も様々であるとおもいますが、ファミリー同士の宗教的対立はジョットが全面的に禁止しているのだろうなという捏造。
了平はボクシング部→ボクシング→ボクシ→牧師?!……かとも思ったのですが、神父ですね。
【雨月について】
(捏造)服装から公家の人を想定しています。そもそも出会いは何なのだろうなあというところから捏造します。19世紀、ヨーロッパではジャポニズムが流行しました。ジョットは日本文化に触れ、渡日し、雨月と出会ったということにしました。雨月本人に関して、みやびな服装でありながら、口調は武士で剣術が達者……ということで、「公家に生まれたけど武士に憧れた」のではないかなあと。大切な笛を売ってジョットの危機に駆けつけたのは、ETERNA本編より前です。
【Dについて】
初代守護者の中では原作で最も掘り下げられた人物なので、詳しくは懐中時計に関する捏造と、トワマチにおける継承式編で。
【初代キャバッローネについて】
(完全捏造)ボンゴレと同じく10代続いているので同時代で問題ないと思いました。最初から同盟関係でも話の都合は良いのですが、気前のいい兄貴分みたいな性格をしながら、ボンゴレとはまだ仲良くする気のない勢力として扱いました。シエナに居た頃の主人公に求婚した相手です。主人公が「乗馬できるの」と言ったのは、初代キャバッローネから教えてもらったからでしょう。捏造の名前はエンツォ(ディーノの亀のことではないです、エンツォは某車会社の創始者のお名前です)。
【ボンゴレU世について】
物語を進めるうえでの利便性により、個人名はセコンドとしました。日本の次郎みたいなニュアンスですが、兄がいた感じはしませんね。天野明先生はきっと別の個人名をお考えだと思います。XANXUSとは違って真にボンゴレの血統である人です。
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