背筋を伸ばして歩くんだ。この生を誇れるように。

◇カラブリア・故郷編(1年目・春)

1.Città di inizio

時は1870年代後半。偉大な統一王を亡くしたばかりのこの国で、物語の舞台は国土のつま先、カラブリア州のとある小さな田舎町。そこで育った3人の幼馴染が再会する。

生まれ故郷で青年となったジョットとGは自警団を作り、その町の人々の平和を支えていた。一方で、彼らの幼馴染でありながら、ある日突然姿を消した少女・エルザが8年ぶりに故郷へと帰ってきたのだ。
遠く離れたシエナで暮らしていたというエルザを許し、受け入れ、青春時代を思い出すような毎日が再び訪れる。しかし、時が流れるということは、変化すること。昔と変わらないように見える3人の関係の裏に、それぞれが抱えるものがあった。
自警団を組織したジョットとGは、北イタリアに構えた本部に戻る期限を前に、エルザとの残り少ない時間を大切にしようとしていた。


3人が出会ったのは今から18年前。エルザの母親の葬儀の日であった。そこでの出会いを期に、幼馴染としての月日を重ねていく3人。無意識のうちに惹かれあう少年ジョットと少女エルザ。二人よりも早く、二人の気持ちに気付く少年G。そして彼らの運命を変えることになる、親友シモン=コザァートとの出会い。突然訪れる別れの日。
過去に思いをはせ、再び訪れたこの日常に酔いしれる。あっというまに離ればなれになる日が迫ってきていた。大人になった彼らはそれを理解していた。
エルザは最愛の幼馴染を見送る。少しだけ静かになった故郷で、彼女なりの新しい生活が始まろうとしていた。しかし、そんな中、以前からジョットとGを狙う動きをしていた男たちが動き出す。エルザは白昼の町中を不審な男に追いかけられていた。

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