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「それでなに、すごいよこれすっかすか!」

書類を捲り、その内容の薄さにはしゃぐ清原に居心地が悪く、かゆくもない頭を掻く。
やはりだいぶ酷い出来のようだ。もう少し時間があれば俺が埋めていたのだが至急と言われてしまえばもう為す術はなかった。言い訳がましく色々と考えるが清原からすれば理由なんてどうでもいいだろう、結果が全てだ。


「…悪い、反抗期みたいでな」

「まあ無いよりはマシだけどさぁー、もう少しどうにかなんなかったの?」

珍しく呆れたようにそう言う清原に返す言葉が何もない。苦虫を噛み潰したような顔をすれば何かを悟ったのか、それ以上何かを言われることはなかったがまじまじと書類を眺める姿は目に痛かった。
今一度書類に目を通して確認して行く清原に大丈夫そうか?と訊ねればうーん、と曖昧な返事を返される。

「…うん、次回はもうすこし埋めて欲しいかなーまっ確かに受け取ったよ!」

「ああ、悪いな」

「お疲れ様、かいちょ」

じゃあね、と手を振る清原は風紀室に戻って行く。
その姿を眺めながら、ふと窓の景色に視線を移した。空には分厚い雲が覆っている、どんよりとした天気にまるで俺の心のようだと詩人さながら思い耽るが現実はそんなに甘くない。
なんだか問題が一気に山積みになったな。
これはこの後一雨くるぞ。荒れそうな天気に俺は1人ため息をつく他なかった。

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