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「本気か」

司会の話を聞き流しながら隣に座る北条に、目を向けないまま声をかけた。
北条もこっちを見る気配はゼロのままええ、と一言だけつぶやくように言う。椅子に座り視界の話を聞く全校生徒に目を向ける。何名かと目があって少しざわついたが特に気にするでもなく腕時計に視線を落とした。現在は月に一度の全体朝礼の途中である。

『それでは続きまして、生徒会役員よりご挨拶です』

司会の言葉に従ってその場から立ち上がった。歓声がわ、っと立ち上る。騒々しい空気のまま壇上へ向かう。あらかじめ用意されていた壇上の椅子の前まで役員全員がそろったのを確認してから全員で席に着いた。




「・・・と、今年度は前年に比較して活気も増えるだろう。我々生徒会、風紀委員、またその他の委員会の皆さんや星渦学園の生徒である皆さんにも学園の質や風紀の向上に協力していただきたい。」

ちら、と目だけで壇上の席に着く北条に目を向けると彼は小さくうなずく。
腕時計に視線を落としてからもう一度全校生徒へ顔を向けた。


「そこで。異例ではあるが、今期の生徒会に補佐役代理として一人の生徒を迎えることを決定した。
今まで役員4人に補佐1人が基本だったが、それではこちらの都合であるが手が回らない。どうか理解と協力を頼む。」

ざわざわと体育館内が騒々しくなる。
どれも不信感と不満を漏らす声である。やはりそんなに簡単に受け入れられるようなものではないのだ。もちろん今まで役員の増員などの異例はあった。
そのたびに不満の声が漏れ、役員は生徒たちに示すために今以上の働きを求められたのだ。

「紹介する。・・・2年A組、響巡流」

「っ、はい!」

壇上の脇から威勢のいい返事が返ってくる。
さっきとは打って変わって静まり返る館内に不安を覚えながらも自身の席へ戻っていった。


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