白いシーツの上に散らばった、濡れた赤い髪がちかちかとまぶしい。まっすぐ俺をみつめるみどり色の瞳はいまの状況を把握していながら少しも揺るがない。ほんのり朱に色づいている首筋に吸いつくとシャツから覗いた細い肩がぴくんと揺れた。
「…抵抗、しないのかよ」
「どうして?」
質問に質問で返される。
…どうしても何も、お前が好きなのは俺じゃないだろ。
嘘なんかじゃなくて本当に不思議そうにするヒロトに腹が立ち、ヤケになってそう告げてやろうとした。言ったところで自分が傷つくだけだというのに。それなのに、ヒロトは俺の気持ちも知らずにあろうことか、自ら唇を俺のそれに押し当ててきた。言葉は、飲み込まれた。くやしいことに俺なんかよりずっと上手な口付けを受けて、頭がくらくらした。
どうしてヒロトは俺みたいなやつにキスをしてくるのかだとか、くだらない罪悪感だとか、すべての思考が途絶えた。頭が真っ白になった。考えようとしてももう何もわからなくて、結局、俺は理性に身を任せることにした。

(もうどうにでもなれ!)









……………

晴矢はヒロトが好きです。
ヒロトも晴矢が好きです。
つまり両想いなんです。
だから、ヒロトはどうしてと訊いたんです。だって、拒否する理由がないから。

…あれ?ビッチヒロトを書こうとしてたはず。
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