コープスパーティー

小さい頃、お母さんに聞いた事があった。

お母さんはどうしてお父さんと結婚したの?って。

シンデレラの絵本を読んだ後だったからなんとなく聞いてみただけで、あまり深くは考えてなかった。

でも結婚するのは一人だけって事は知っていたから、お母さんがどうしてお父さんを選んだのか気になってた。

お父さんは何でもできちゃうスーパーマンみたいな人だけど、お母さんはとても綺麗でたくさんの人に愛されてるってじいやが言ってたから、きっとお父さんの他にもたくさんお母さんと結婚したい人がいたんだと思う。

なのにお母さんはそのたくさんの人の中からお父さんだけを選んだ。

お父さんもたくさんの人の中からお母さんを選んだのなら、他の人の事は嫌いだったのかなって不思議に思ってた。

でも……そう、あの時確かにお母さんは言ってた。

お母さんはお父さんとずっと一緒にいたかったからお父さんと結婚したんだって。

お友達のままじゃいつかきっと離れ離れになっちゃうから、お爺ちゃんやお婆ちゃんになってもずっと一緒にいたかったから、お父さんの恋人になったんだって。

……ずっと一緒にいたい……。

そう思う事が"好き"って気持ちなのかな?

家族ならずっと一緒にいられる。

でもお友達はずっとずっと一緒にいられる訳じゃない。

連絡を取り合ってても遠く離れてしまう事だってあるし、家族のようにいつも一緒にいる事は難しいと思う。

だからお母さんとお父さんは結婚して家族になったのかな。

私も……そんな風にいつか誰かと結婚するのかなって、ずっとそう思ってた。

でもその相手は……幸村君じゃないのかな?

離れ離れになるのは寂しいし、幸村君の事が大好きだから私も好きだよって答えたけど……それはお母さんが言ってた"好き"って気持ちとは違うのかな?

……わからない。

私はあの時なんて答えればよかったの?

幸村君の事が好きなのに、嫌いって言わなきゃいけなかったの?

一緒にいたいって思うのに、恋人になっちゃいけなかったの?

どうすればいいのか、わからないよ。

……どうして幸村君はあんな事言ったのかな。

"嫉妬"って何だろう。

不安?恐怖?それとも寂しさ?

わかってたつもりなのに、全然わからない。

だって私はそんな事、考えた事もないから。

……でも本当にそうなのかな。

私は"あの時"とても嫌な気持ちになった。

他の女の子と話してる……ただそれだけの事で胸が苦しくなって息ができなくなった。

それを"嫉妬"って言うのなら、私は……。

私の"好き"は幸村君の"好き"とは違うのかもしれない。

本当はそう伝えなきゃいけなかったんだ……。

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