memo

雪男悪魔落ちネタ練り練り
2011/05/17 22:23

「もう止められないんだ」

雪男は言う。その声は、どこか淋しそうな響きを持っていた。

「結局、僕もサタンの子ってことかな」
「ふっざけんな!俺たちの親は親父だけだろ!?」
「違うよ、兄さん」

燐には分からない。何がそんなに雪男を追い詰めたのだろう。
まっすぐで、正しくて。雪男はいつでも燐の前を歩いていて、燐に道を見せた。
それなのに、なぜこんなことになったのだろうか。分からない。

「俺の、せいか……?」
「それも違う」
「なら何で!!」

いつもと気配は違うのに、目の前にいるのは雪男そのものだ。
雪男は困ったように笑うと、燐の方へ手を伸ばす。指先が頬に触れる。そのまま撫でるようにして、首元へと移動した。

「守りたいものがあるんだ。どうしても守りたくて、そのためには力が欲しかった」
「何だよ、それ……」
「悪魔からも、祓魔師からも。何もかもから守る。それが僕の存在意義だった」

暖かかった雪男の手が、冷たい。まるで氷のようだ。

「だから僕は、選んだんだよ」

まるで水の中にいるような気分になる。雪男の言葉がどこか遠くから聞こえているように感じる。

「アイシテルヨ、兄さん」

そっと口元に触れた雪男の唇は、手と同じように冷たかった。燐は、熱い涙をこぼした。


多分つづかない
こんなのを妄想してみたり。


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