とにかくどうしようにも、リオがこの町の中にいないのはどう考えても事実だった。
ナギサシティとその先の道をつなぐ、人も少ないこの町外れで2人(?)して頭を抱えているのはとても賢い行動だとは思えなかった。



「なんか心当たりとかねーのかよ…?」
『それはこっちのセリフだね、レントラーがマスターを連れて行きそうなところなんて僕にはわかんないよ』
「あったらとっくに行ってるっつーの」




関所を通って、ナギサを出る。
一応各シティのジムリーダーや博士のところ、更にはシンオウリーグ本部にも所在を尋ねてみたが、やはりリオはいなかった。
間違いなくリオはレントラーの背に乗って移動している。ブラッキーだけでなく、他の手持ちもデンジの部屋に置いたままだった。デンジのレントラーは標準より少し大きいから、デンジ本人はもとよりリオもよく乗っていたのだ。







「あーちくしょう、どっから探せってんだよ!」
『うるっさいよ! 片っ端から探すしかないんだってば…!』


漠然とした不安と苛立ちに耐え切れず怒鳴って、走る。
デンジの数歩分先を走るブラッキーの赤く光る瞳も、鈍く、歪むようだった。
幸いにもレントラーが1匹で向かえる場所はあまりない。水は苦手だし、トレーナーの性格からあまりフィールドワークをしてこなかったためにあまりアウトドアに向くタイプでもない。
だとしたら場所はだいぶ限られてくる。テンガン山には入るなと普段から言ってあるし、仮に入ったとしてこんな短時間に山の向こうまで行けるとは到底考えられない。
シンオウの東半分。エリアとしては非常にアバウトだが、町を出た時間とレントラーの移動速度から計算してなんとか絞り込めば、全く検討がつかないわけではなかった。
ノモセから先は干潟地帯になるからレントラーはきっと避けるだろうし、ここから行ける東部の範囲で一番遠いカンナギタウンに行くならトバリ側のルートを経由しなければならない。トバリより先に行ったということは考えにくいだろう。
飽きるほど眺めたタウンマップを頭の中に思い描きながら、デンジの頭はフル回転を始める。
予想が外れてなければ、まだこの辺にいるはずなのだ。


ああもう、どこ行ったんだよ、リオ。












さらったのはあいつかお前か
(理由もわかんねーのに)






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -