灯台のそばから見る海は、デュエルアカデミアに通っていた頃と変わらない。あれから4年が経った。4年間通ったデュエルカレッジを、私は卒業する。式の開催地はここ、アカデミア本校。アカデミアの卒業式とカレッジの卒業式の同日開催だった。

「ここにいたのか。探したぞ」
「早くしないとアカデミアの式始まっちゃうよ? 早く行かないと!」


ともにアカデミアを卒業して、いろいろあって療養中の亮と、カレッジに進学した私。少し遅れて卒業した吹雪。そして今年、とうとう彼もアカデミアを卒業する。まさか会場がかぶるなんて思わなかったし、こうやって4人で、アカデミアで顔を合わせる日がくるなんて、4年前の私も亮も、在学中の吹雪も、出遅れてしまった彼も思っていなかったに違いない。

「今年の答辞、藤原なんでしょ? ちゃーんと見ないとね、僕たちの親友の勇姿を!」
「カレッジの答辞、私だよ」
「えっ!? そういうことは早く言ってよ! 僕タオル1枚しか持ってきてないんだけど!」
「…吹雪、頼むから式のあいだは静粛にしていてくれ」

灯台に背を向けて、私たちは歩き出す。遅れてきた友人と、4年越しの友情を迎えに行かなくては。





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