ばたりと死んだように私のベッドにうつ伏せに横たわるギーマさんにそっと布団をかけてやる。そういえば私もお風呂あがりだったんだっけ、と思って髪に触れれば、思い出したかのように寒気がしてくしゃみをした。それでもすやすやと寝息を立てるギーマさんはよっぽど深く眠っているのだろうと、ベッドサイドに膝立ちして顔を覗き込んでみる。男の人にしては長いまつげが、乱れた前髪の隙間に紛れていた。湯冷めしてしまった身体をもう一度あたためようとお風呂に入って、出たときにもギーマさんは同じ姿勢で眠っていた。髪をきちんと乾かして、どこで寝ようかと一考。やはりギーマさんのいる私のベッドは使えないのでソファ一択ということになるだろう。掛け布団をベッドから拝借しようと近づいて、薄いタオルケットを一枚ベッドから引き離そうとして、ギーマさんの身体が乗っていて剥げないことに気が付いた。暖かい季節とはいえ、掛け布団無しで眠るのは少し肌寒い。でも肝心の布団がこの有様じゃあ、なんていうか私の心も意思も折れてしまうというものだ。

前言撤回。ギーマさんの隣の少し狭いスペースで得られるだけのタオルケットを被り、背を向けて目を閉じた。

きっと明日の朝は今日の行動について逐一文句を言われるに違いない、でももしかしたら二日酔いで思ったより静かかもしれない。この寝方とさっきまでの状態だと後者のほうが可能性はあるかな、とぼんやり考えて、紐が解けるように緩くなっていく意識を襲ってきた睡魔に預けてしまった。



2 、
(言葉はまだきっといらない)






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