結局ウォーグルにギーマさん、ポケモンセンターで控えを入れ替えて手持ちに入れたスワンナに私という一人一羽体勢で私の家まで来てしまった。ギーマさんをリビングのソファに寝かしてみると、気分が悪いのか眉間に皺を寄せる。慌ててコップに水を満たし、唸るギーマさんに手渡した。

「お水ですけど」
「…気が利くな」
「…そりゃどうも」

上半身を少し起こし、コップを傾けて喉の奥へと流し込む。それを見届けてからどうも上着を脱ぎたいらしいギーマさんを手伝ってあげた。

「…この私をソファに寝かすとはいい度胸だな」
「いや、ちょっとベッドに転がすのは私も女としてどうかと思いまして」

気が付けばいつもギーマさんに呼び出されたり文句言われたりパシられたりしているが、けして私とギーマさんはそういう関係ではない。まあそうやって良いように扱われて文句の1つも言わない私も私だと思うのだが、意外とこの関係が私は嫌いではなかったりする。けしてマゾの気があるわけではない。ギーマさんはいつも人を小ばかにしたような態度を取ったり、変なところでナルシストっぽいところがあったり、ギャンブル癖があったりはするが、普通にしている分には普通にいい人なのである。ただちょっと強がりで、プライドが高いだけの人だから、なかなか人に弱みを見せられないのかもしれない。

「あー、硬い」
「何がです」
「ソファがだ…っと、」
「ちょ、ギーマさ、」

ふらふらと立ち上がり、私のベッドの方向へと向かっていく。

「どこいくんですか!」
「ベッドに決まってるだろう」
「ベッドって、ちょっ、ギーマさんてば!」

なんで場所を知ってるんだとか私はどこで寝るんだとか、そんな他愛もない疑問ばかりが浮かんでは口から飛び出す前に消えていく。どうせギーマさんには何を言っても無駄なのだ。これは諦めではない、彼を知ってるからこそ言える言葉である。

3 、
(あなたの心にマジックハンド)





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