White 3 


静雄は決して記念日を忘れているわけではない。


けれども静雄は恋愛経験がないせいか、そんなことは臨也の前では言えない。
2人の思いはすれ違ったまま、ホワイトデーを迎える。


朝から学校は華やかな空気に包まれていた。
廊下では顔を赤らめている男女の姿。

臨也はそれをにらむようにしながら教室へとはいって行った。

教室に入ると静雄と目があった。

静雄は一瞬目をまんまるに開き、そのまま臨也の顔をわざとずらすようにして廊下へと去って行った。

臨也はなんとも言えない表情で自分の机へと腰をおろした。

「臨也、おはよ。」

新羅は臨也の方へ駆け寄った。

「ああ、新羅か。おはよ。」

気が気でないような挨拶をして新羅の方を見ると嬉しそうな顔をしている。

「なに?新羅なんかあったの?」

新羅はよくぞ聞いてくれましたといわんばかりに、嬉しそうに臨也に話しかける。

「ほんと聞いてよ、セルティったら、僕が朝ホワイトデーのお菓子をあげたら照れちゃってさぁ、ほんとにもうかわいいんだから!!」

「ふーん、あっそう。」

臨也はいつもの調子で新羅の話を聞き流す。

新羅はそんな臨也をみて感づいたのか、真剣な顔つきになって臨也に言った。

「臨也、後悔するよ?」

「は?」

臨也はいきなりの新羅の言葉に疑問を投げつけた。

「静雄の事で悩んでるんでしょ?僕はあんまり分からないけど、臨也だけが悩んでるわけじゃない。静雄だって、臨也の事悩んで悩んでいるはずだよ。静雄は臨也が嫌いになったわけじゃない。静雄は上手く『愛する』という事が表現できないだけじゃないかな。」

臨也はそれを聞いてどこかへ走っていた。

臨也は1か月前、すべてが始まったあの場所へ。

階段を駆けていく臨也は無我夢中だった。

そしてドアを開けるとまだ寒い風が身にしみる屋上へと出た。




「シズちゃん・・・」

臨也はフェンスにもたれかかっている静雄に向かって歩き出した。


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新羅超イケメソww
リダさん最後頼みますよ(笑)



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