雨の日(シズイザ)


池袋に久しぶりの雨が降ってきた。


「やばっ、降ってきたし。」

臨也は今日珍しく池袋に来ていた。
朝の天気予報では曇りだと言っていたのに雨がぽつぽつと降ってきて、傘のない臨也は急いで適当な雨宿りの場所を探そうと、池袋の人込みの中に交わりながら何とか屋根があるビルの入り口でやむのを待機することにした。


(あーあ、ついてないし。)

そんなことを考えながらケータイを取り出し、波江さんに傘でも持ってきてもらおうかとしたその時―・・・


「おい、ノミ蟲。」


背筋がぞくっとした。


聞きなれた声、宿敵と値するその奴にこんなところをみられたのだから。


「シズちゃん・・・」


臨也はいつ殴りかかってくるかわからない静雄に対してポケットの中のナイフを握りしめる。


―・・・だがしかし、今日の静雄はまるで別人のようだった。


「雨・・・降ってるからさ、今日はけんかする気ねーんだ。なんかよぉ、じめじめしてて気持ち悪いし。」


そんなことを言う静雄はいつも臨也が知ってる静雄ではなかったので、笑ってしまった。

「ハハハハ!!シズちゃん、本気でいってんの?君はばかだねぇ。傘の持っていない雨宿りしている今が俺を殺すチャンスなのに。」


しかし、静雄はなにも動じず、ただこう言った。


「入れよ。」


「は?」


静雄の言っている意味がよくわからず、もう一度言ってくれといった表情で問いかけた。

「だから、傘持ってないなら俺のに入れてやる。だから、入れ。」


ん、といって静雄は自分の隣を指差した。

「・・・・・あ〜、もう・・今日だけだから!」

臨也は若干赤くなった顔を下に俯きながら静雄の隣に入った。


臨也は気づいてなかったかもしれないが、その時、静雄の顔も赤く染まっていた。




**

その頃の波江さん。

「あいつ傘持ってかなかったけど大丈夫かしら。まあ、あいつには平和島静雄がついてるから・・・まあいっか。」



**
ほんとにお久しぶりです!!
それと放置状態すいませんでした!!

/リズ




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