卒業。(シズイザ)
高校生活は今日で終わり。
あいつとはたったの3年間だけだったけどたくさん喧嘩した。
だけど俺はいつしかあいつのことしか見てなかった。
これが恋ってやつなのかな。
俺は、卒業したらこの、池袋の町を離れることになっている。
だから今日で会うのは最後になるかもしれないから最後くらい自分の思いを伝えて終わりたいと思った。
卒業式が終わっていつもあいつがいる屋上に出向いてみた。
―やっぱりいた。
平和島静雄。
俺は勇気を振り絞って、静雄に歩み寄る。
だけどシズちゃんが誰かと喋っているのを見てあわてて隠れて様子をうかがう。
クラスの女子のようだ。
「静雄君、えっと・・言いにくいんだけど・・その、私と付き合ってくれませんか?」
頭が真っ白になった。
シズちゃんはなんて答えるだろうか。
やっぱり俺みたいなやつよりかわいい女子と付き合った方がいいよね。
でも、静雄は申し訳なさそうな顔をして答えた。
「わりぃ。気持ちは嬉しいんだけど、俺も好きなやついるんだ。ごめんな。」
びっくりした。シズちゃんにも好きな人がいたんだ。
「そっか・・・ごめんね。じゃあ、」
それだけ言って、その女子は去って行った。
臨也はそのまま様子をうかがっていると、向こうがこちらに気づいた。
「おい、臨也だろ。」
「ばれちゃったか・・・」
臨也はそういうとため息をついて静雄の前に立つ。
「何の用だよ?」
「単刀直入に聞くけどシズちゃん、好きな人、いるの?」
「いて悪いかよ。」
即答だった。臨也は少しさびしい顔をして言う。
「どんなやつ?」
「そうだな・・・いつもうざくて、うちの学校はブレザーなのに、なぜか学ランで、人間が好きだとかどうだとかわけのわかんないやつ。」
臨也は顔を赤らめた。
「ねぇ・・・それってさ、つまり・・・
「手前だよ・・・臨也。好きだ。」
「俺も・・」
二人の影が、昼の屋上に重なり合っていた。
**
なんだこの終わり方ーww
もうすぐ春ですね←え
[ 8/12 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]