そんなやり取りをしていると、おおーいと梯子を担いだ食満くんがこちらにやってきた。


「ああハル、しんべヱ見なかった……って喜八郎! お前がいるってことは……」
「留さーーーん!!」
「食満せんぱ〜〜い」
「だああやっぱり!!」


食満くんは絶叫すると、カシャンカシャンと肩に担いだ梯子を穴に降ろした。程なくしてわたしと同じく土塗れの善法寺くんと鶴町くんが地上に戻ってきた。


「喜八郎! お前どこもかしこも穴だらけにすんのやめろってあれ程言っただろうが!」
「僕はそんなに掘ったつもりはありませーん」
「その様子だとハルも落ちたんだろ? ったく、すまんな」
「ハルさん怪我は無かったかい!?」


縄を伝って上がってきたのであろう善法寺くんが、いきなり食ってかかる勢いでわたしに尋ねてくる。いや特に痛いところとかはないんだけどね。


「そっか、ならよかった。保健委員長として怪我を放置することは出来ないからね」


よかった〜と眉をハの字にさせて笑うと、善法寺くんは少し真面目な顔つきになって、飄々としているキハチローに身体を向けた。


「喜八郎、ハルさんという一般人もこの学園に入ったんだから少し考えて行動するように。でないと、今度は顔に泥だけでは済まなくなってしまうかも知れないよ」
「……はい、わかりました」




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