この、山本先生とのやり取りを見ていた女の子たちは、一同興味を持ったように次々と口を開いた。
「お姉さんって?」 「着物とか手ぬぐいをお貸ししたとか……」 「そもそも、こちらはどなたなのかしら?」
4つの視線を一気に受けて一瞬たじろぐが、呼吸を整えて一つずつ答えていく。 色々あって今は住み込みで働いている事や、山本先生から生活必需品は全てお借りしている事など、忍たまの子たちは既に周知済みの事を話すと、女の子たちは大層驚いたあとに、一様に同情オーラを放出してきた。
「海賊に連れていかれそうになるわ、山賊に襲われそうになるわで、本っっ当に大変だったわね……」 「私だったら空手で何とかしちゃうけど、何もわからない土地なら足もすくんじゃうかも」 「女の子を狙うなんて、ひどいやつらもいるもんでしゅ! 許しぇない!」 「は、はは、ありがとう」
女の子特有のこの団結力に半分うれしく半分苦笑いで受け答えると、一人の子(確かソウコちゃん)が切り出した。
「それじゃあ着物も化粧道具も何も持ってないんじゃない?」 「あ、はい持ってないです」
素直に答えると、ちらちらっと4人は視線を合わせると、にんまりしだした。
← | →
|