目を真ん丸にさせて顔いっぱいに驚きを表した尾浜くんもだが、それを上回る程久々知くんの反応はすごかった。いや何がすごいって、年齢を聞いた瞬間おおきな目をぱちくりと一度瞬きすると、ガタッとご飯とお箸持ったまま立ち上がるとわたしを凝視してきたからね。無言なのに目力の威力がすごかった。


「兵助、兵助」
「………………」
「久々知くん、久々知くん」
「………………っ、はい」
「座ろうか」
「あ、はい」


尾浜くんは、なんだお姉さんだったんですね、と幾分大人しめになったようだが愛想のよさげな笑みは変わらず、ただ久々知くんの方は食堂に入ってきた時より更に無表情になってしまった。


「知らなかったとはいえ、先程はとても失礼な事ばかり言ってしまってすみませんでした」
「あ、尾浜くんあのね、わたしは見た通り普通の平凡な人なので、敬語とか使わないでいいから。寧ろさっきみたいに気軽に話しかけてもらった方が気が楽なので」
「えーっと……」
「だから、久々知くんも出来たら普通に接してくれたら、助かります(わたしのメンタル的に)」


それでもまだ腑に落ちない顔をしている二人。後で知ったのだが、い組というのは大分真面目な子たちばかりで融通が中々利かない時もあるらしい。
それに雷蔵や、はっちゃんもそうしてもらってるからね、と引き合いに出したのが決定打になったらしい。


「えっ、お姉さんあいつらの事そう呼んでるんですか!?」


尾浜くんの目の色が変わった。





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