けらけら笑う黒髪と、笑いを堪えようとしてるんだろうがこらえきれてないククチを目の前にして、明かに置いてけぼりを喰らっている。
すると、おばちゃんがお待たせ! といいながら、Bセットのおかずを三つ渡してくれた。あれ? なんで三つ?


「ハルちゃん、もう久々知くんたちしかいないから、お上がんなさい」
「あ、ありがとうございます! お先にいただきます!」


そういう訳で、何故かククチと人懐っこい片割れと共に昼ご飯を取ることになった。


… … …


「あのー……」
「あ、えーと、笑っちゃってごめんね。俺は尾浜勘右衛門。五年い組だよ」
「同じく五年い組、久々知兵助」


2対1という風に向かい合って食事を取る。おはまかんえもんってすごい名前だなーとか思っていると、彼は久々知くんより大分人懐っこいらしく、興味津々でわたしに話しかけてくる。


「どうしてこの学園で住み込みで奉公にきたのかなんて野暮ったい事は聞かないけど、ハルちゃんはさ、どこの生まれなの? 顔つきや体つきも町娘と全然違うよね、もしかして唐とか? あっそういや今齢幾つなんだっけ?」


尾浜すげえ。テンパったわたし並のマシンガントークだ。
なんとか質問部分を聞き取って、一つずつ返していくことにする。


「えーと、普通に日本生まれの日本人で、年齢は……」


ここでわたしは、てっきりはっちゃん辺りがこの子たちにも話をしているだろうと、何気なく自分の年齢を伝えると、実際は彼らは知らなかったようでお決まりの反応を繰り返す羽目になった。





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