まるでバスケットボールのドリブルよろしく、バシバシと馬鹿力七松(もうこの人このイメージしかないよ)に叩かれていると、大声でこちらに寄ってくる二人組。
「留三郎が遅れっから小平太もどっか行っちまったんじゃねえか!」 「何をぬかす! 貴様に任された忍務を無関係な俺が手伝ってやるんだ、有り難く思え!」 「うっせえ元々てめえは長次の代わりなんだよ! うだうだ言ってねえで小平太探せバカタレィ!!」
小平太、小平太ってこの馬鹿力のことですよね!? よかった回収してくれる人がきたようだ、これでわたしの右肩及び右半身が助かるぞ!!
「あのっお連れの方々ーーっ! こちらに七松小平太さんいらっしゃいますがーー!!」
これはあれだ、迷子の店内案内と同じだったと思う。 でもそうでもしないと、一年は組の子たちも七松先輩のテンションの高さにポカンとしてたからね、仕方ないわけですよ。
こっちか!? という声を引き連れて、ざくざくと草村掻き分け現れた二人組に引き渡す。 一人は制服じゃないけど食堂で会ったから覚えてる。
「ああクマくん、久しぶりだね」 「いや俺ケマです食満留三郎」 「うわごめん食満くんだったね! そうそうケマケマッ!」 「馬鹿にしてますか」
食満に呆れられつつツッコミをもらう。あと、もう一人の方は存じないけど、風格からして多分あれだ。
「えっとあの、六年生の先生ですか? 初めましてハルといいます。七松くんはこちらに、」 「「ぶっ!!」」 「は?」
言うなり、七松と食満が腹を抱えて笑いだした。なんなんだ。
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