庄ちゃんが加わったことにより、更にスムーズにみんなを見付けることができた。


「喜三太ちゃん、兵太夫くんに虎若くん、三ちゃんか。覚えたよ!」
「くっそー庄左ヱ門がいるとすぐ見付かっちゃうんだもん」
「乱太郎は足が早いしさー」
「何いってんの、三治郎だって早いでしょ」


私含め総勢10人で手を繋いで西へ東へ移動する図はさぞかし面白かったんだろうな。
にしても、最後の二人がなかなか見付からない。


「んーあと覚えてる子は、加藤団蔵くんと皆本金吾くん……だったよな」
「お姉さん、団蔵と金吾は隠れんぼ得意なんです。兵太夫と三治郎が罠を仕掛けているから待ちましょう」
「いや、罠てすごいな」


わたしがたじろぐと、兵太夫と三治郎はにいーっと悪戯っ子の顔を満面に広がらせて笑った。


「こんなん甘い方ですよ、ねえ笹山さん」
「金吾泣いちゃうかもねえ、三治郎さん」


なんだこの子たち怖い。
笹山と三治郎のさはサドのSですか、そうですか。

そうこうしている内に、ドシャアと土が雪崩る音と、うわあっという男の子の悲鳴が聞こえた。


「かかった!」
「(兵太夫くん楽しそうだね)えーと、君は……」


わたしが名を当てようとしたら、みんなが一斉に団蔵みーっけ!と大合唱した。
穴に落ちた団蔵くんを引き上げるべく、手を伸ばす。


「よろしくね、団蔵くん」


ぎゅっと握った手は、やんちゃをよく表した固い手だった。




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