ズダダダッと砂埃を巻き上げて、わたしは乱ちゃんやきり丸に引っ張られるまま、学園内を駆け抜けまくる。
「おーハルよ、4人手を繋いで何をしておるんじゃ」 「あっ学園長先生! 一年は組の子たちと隠れんぼしてるんですよ!」 「ほっほ、楽しそうで何よりじゃな」
庵の近くにて学園長先生に話し掛けられたり、食堂のおばちゃんや小松田さんにも笑われたりしながら、一人目を見付けた。
「うわっ見付かっちゃった!」 「待ってね、えっと君は……」
さっき見せてもらった紙は山田先生に返してしまったので、わたしは自分の記憶を辿るしかない。うなれ、マイブレイン!
「お姉さん、“い”から始まる名前だよ!」 「い? い、い〜……あっ! わかった伊助くんだ!」 「はい正解です。僕が二郭伊助です」 「そっか、伊助くん、よろしくねー」
しんべヱの助け舟のお陰で伊助くんゲットだぜ! きり丸によると、伊助の近くに庄左ヱ門もいるはず……と言ってたら本当にいた。
「ああ〜、こういう展開だったなら自己紹介しなければよかったなあ」 「(まあ最初っから君は覚えてたから知ってたんだけどね)はい庄ちゃん見っけた!」
乱太郎の隣に伊助くん、しんべヱの隣に庄ちゃんが手を繋いで、更にズダダダッと激しく砂埃を上げて走る走る走る!
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