「後ろに誰かいますけど、どなたですか?」
うわ、反射的に土井先生の影になるよう隠れたのにやっぱバレたか。まあバレるわな。
「ああ彼女はね、とある事情で学園に住み込みで働くことになった、ハル君だよ。」 「は、はじめまして! よろしくお願いします!」
何をよろしくするんだバカかーー!!? 言葉足らなすぎでしょ自分!! 彼らも、アッこちらこそよろしくお願いします〜 なんて、引っ越し先のお隣りさんみたいなぎこちなさですよ。
「働くって、どうやってここで働くんですか?」
黒髪の色白が(確かククチと呼ばれてた)尤もな突っ込みをいれてくれた。むしろ話す手立てになって有り難かった。
「食堂で働かせていただくことになってます。」 「そうですか。じゃあ、とある事情ってなんですか?」 「えっと……。」
無関心なやつかと思ったら意外と食いついてきたなククチ。 隣に居た髪質が変に丸っこい男の子も、ぐしゃぐしゃな髪の男の子も、双子も異様に真剣な眼差しでこちらを見てくる。心なしか睨まれてるような気がしなくもない。 ……これはあれだ、わたしでもわかる。絶対怪しまれてるんだ。
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