雑炊をぺろっと平らげたわたしはまた潮江くんにおぶってもらい、なぜか自室ではなくまた医務室に戻らされるらしい。
「おばちゃんご馳走さまでした! 今日仕事は、」 「なーに言ってんの、そんなふらついて! 元気になったら働いてちょうだい、それまでしっかり休むこと!」 「そうだぞ、おばちゃんの言う通り大人しくしてろ」
まるでわたしが風邪引いた時の両親の反応である。あったかくて、ちょっと笑いそうになった。 おばちゃんは潮江くんの背に乗っかるわたしを見て「いい組み合わせだわね〜」と笑う。潮江くんは(照れ)キレていた。貫禄があっていいと思うよ、お父さん。
… … …
潮江くんの背に乗っかったまま医務室の襖をスパンと開けると、じょろじょろ一年生は居なくなってて、代わりにいつもの六年生メンツが集まっていた。ああでも七松だけいないな。
「なんだよ文次郎、いないと思ったら!」 「ハルさんの足がわりになってたのか」 「まあな。伊作じゃ不安だしよ」 「ひどいなーそれ」
食満と立花くんが口々に言い、伊作くんが苦笑いした。 わたしはすごい居づらさを感じていたんだけども、渋々中央の布団に寝かされた。ただ毛布を被って間もなく、睡魔に襲われすぐに寝入ってしまったから後の事は知らない。
「寝たか」 「体力がまだ戻りきっていないんだろう……ゆっくり休め……」 「さて、僕たちもそろそろ出ようか。午後実習が始まるし」 「おい、小平太は何故入らん」 「顔見づらいんだと」
一端に意識してんのか知らねえが、と潮江と中在家は薄く笑う。その場を知らない立花と食満は訝しい顔をした。
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