――三郎目線――



久々の委員会(といっても菓子を食ってだらだらするだけだが)について、勘右衛門に周知にきただけ。それだけだった。
そんなさあ、予期できる筈ないだろう。まさかあの人と勘右衛門が布団のうえで、嗚呼。


「……何してんの、お前」
「や、やあ鉢屋。ご機嫌麗しゅう」
「しばくぞ」


顔だけこちらに向けた勘右衛門のバカは彼女の上から退こうとしない。というより、よく見たらハルさんが被さる勘右衛門の首に巻き付いて離さないようだ。俺は鈍器で頭を殴られたような感覚に陥りながらも、つとめて冷静な声を発する。


「そういう関係だったとは知らなかったわ」
「え、ちょっ、おまっ勘違いを、」
「勘違い? じゃあお前の下でぼうっと恍惚してるのは誰だよ」


淀みない刺々の応酬を食らわせたところで、今度は自分が度肝を抜かれる番であった。ハルさんは勘右衛門の首に絡ませていた腕を解いて組み敷いていた彼をゆるく押して退かすと、おもむろに立ち上がり俺を見据えた。とろんとしたその瞳に一抹の欲情が掠めた。しかしそんな俺のことも知らずに彼女はゆっくりこちらに歩んでくる。そして自ら寝着の前合わせに手をかけると、ぱさりと床に布を落とした。


「「!!!?」」


俺は真正面、勘右衛門は後ろ姿、ハルさんの柔らかそうな肌を目下にして目が点になる。さらしを巻いていないから、あれもこれも空気に晒されているわけで。じわじわと下腹部に熱が篭るのを感じていると、ハルさんはとびきり綺麗な笑みを浮かべて爆発を落とす。


「三人でも構わないのよ」




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