ガタガタガタッ
その場にいた六年生、だけでなく五年生も数人、おもむろに立ち上がった。顔は俯いたままであるため、座ったままの中在家長次と善法寺伊作、尾浜勘右衛門と竹谷八左ヱ門は、さあ飯を食べんとする友人がいきなり無言で席を立ったことに吃驚してしまった。


「ん? なんだお前ら、突然」
「なんだ、じゃねえよ小平太……」
「その話もうちょっと詳しくお聞きしたいんですが」


眉をひくひくさせた食満留三郎と、口元は笑っているのに目は据わっている鉢屋三郎がそれぞれに返した。


「ハルさんと土井先生が恋仲、とは一体どの情報なんですか」
「誤報ならば拳の一つは覚悟しておけ、冗談にも言っていいものと悪いものがある」
「落ち着けよ仙ちゃん。冗談というか私は現場を見ただけだ、雷蔵だってそうだぞ」
「「!!?」」


一気に視線が不破雷蔵に集まった。八左ヱ門が心配そうに眉を下げている反面、兵助は眉間に皺を寄せたまま明らかに不機嫌な声を発した。


「どういうことだ、雷蔵」
「恋仲……かどうかは判らないけど、ハルさんが土井先生に抱き着いたのを見たのは確かだよ」


数人、短くふっと息を吸った音が聞こえた。ちらりと皆が当事者であるハルに視線を移した時、この妙な雰囲気の食堂に新しい空気が入り込む。




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