「しかしハルさん、さっきの奴らが失礼なことを……」 「あー気にしないで立花くん。助け舟どうもね」
申し訳なさそうに眉を潜める彼に笑って手を振る。今が一番忙しい昼時でなかったら少しくらい話してても大丈夫だから、彼らは都合悪かっただけだよ。そう言うと、立花くんだけでなく隣にいる食満も同じように苦い顔をした。仲良しか君ら。
(俺は、あんたが他の奴らに絡まれてんの見たくねえんだけどな) (私としては、あなたが他の男と仲睦まじく話してるのは嫌なんだが)
……なんだなんだ、二人して黙り込んだぞ。よくわからん。顔になんか付いてるのかな。 それくらいわたしの顔をじいっと見たまま、何か言いたそうな二人に注文を問う。
「で、君たちは何を食べるの?」 「「そんなもの、」」 「?」 「……私はAランチだが、お前もか? 留三郎」 「奇遇だな仙蔵、俺も同じものが食いたかった」 「はいじゃあA二つねー奥空いたからどうぞ!」
おばちゃんにA二つ! と伝えて、彼らには席を促す。にしてもなんだかこの二人おかしい。今度は二人何も話さず見つめている。仲良しすぎるんでない。そっち系か。
「――仙蔵、今お前、食べたいものん時言いかけたの、」 「知らんな」
((同じことを言いかけたくせに))
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