しんべヱ頑張れ! と叱咤しながら歩くこと数分。


「あっ小松田さんだー!」
「乱太郎くん、しんべヱくんお帰りなさーい。」


見覚えのある白い壁とでかい門の前に、箒を片手に黒服の人がこちらに手を振っている。コマツダさん、というらしいがこの人もわたしの記憶には無い。先生だっけ?


「きり丸くんもお使いご苦労様ー……あれ? 後ろの女の子は誰ですかぁ?」
「第三協栄丸さんに頼まれたの。学園長先生のところに連れていってって。」
「そうなんですか〜でも、ちゃーんと入門表にサインして下さいね〜。」


ずい、と差し出されたノートのようなものと筆。見ると縦に欄があり、ホテルのチェックインのようだった。習字の授業以来、慣れない筆を持って名前を書き込む。


「ハルさんって言うんですか〜。ほえー珍しい名ですね〜。」


話し方からしてこの人は十中八九マイペースか天然決定。


「お帰りの際は必ず出門表にサインを下さいね〜。」
「あ、はい、わかりました。」
「ではではごゆっくりー。」


ギィ、と木の門が開けられ、遂に忍術学園に足を踏み入れた。






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