「乱ちゃーん、きりちゃーん、しんべヱくーん!!」
「お姉さーん!!」


よかったあああああ皆が無事で本当によかった!!
男は、メンチ切り合ってた女がいきなりテンション高く手を振りながら大声あげたものだから、ギョッとしていた。


「それでは私は先に失礼する! 君ね、今日の事は肝に銘じておきなさいよ!!」


シュバッと音を引き連れて茶髪は消えた。まるで忍者だ。そして助けてくれたのは有り難かったけど、売り言葉に買い言葉状態だったな。


「お姉さん大丈夫でしたか?」
「うん大丈夫だったよ。乱ちゃんたちこそ何もなかった?」
「利吉さんがいてくれてよかったねえー。ぼくたちじゃ危なかったよ。」
「利吉さん、あれぜってー山田先生へ洗濯物届けに行く途中だったんだぜ。あんま機嫌良くなかったしな。」


はー成る程。さっきの茶髪はリキチさんというらしい。しかも学園の先生にパシられてる。予備知識は入った。
次もし会ったら怒られるかな。小心者ハートが疼いた。


「大丈夫ですよ、利吉さんはそんな滅多に怒ったりしませんから。」
「喜三太のナメクジ攻撃にも耐えてたもんな!」
「ねえねえ早く学園に戻ろうよ〜ぼくお腹ペコペコ……。」
「ああそうだね! 早く帰ろう!」






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テーマ「人外ファンタジー」
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